少数意見

追記

2025-11-03 火の華

_ つまらなかった。

_ 日本映画が政治的なメッセージを込めて(真面目なつもりで)作品を作ると得てしてこのような訳の分からないものが出来上がる。


2025-11-02 次元を超える

_ よくわからないが面白かった。

_ 修行者狼介(窪塚洋介)は宗教家阿闍梨(千原ジュニア)の家で行方不明になり、狼介の彼女は暗殺者新野風(松田龍平)に狼介の捜索と阿闍梨の殺害を依頼する。しかし、その彼女は5年前に自殺していたことが判明する。上記三人はいずれもサイキックで、気を使って攻撃する。この描写はリアルで、西野流で日々目撃していたものと近い。

_ ストーリーは書いてもあまり意味がない。この映画の面白さは、三人の容姿、面相、眼力などにあり、文字での描写が難しい。

_ 狼介と新野は次元を超えた場所で対決する。それがどこかは不明だ。心の中だと阿闍梨は言う。ハリウッド映画なら、量子力学やマルチバースなどで説明しようとするのだろうが、この映画は一切科学的な話はしない。

_ 「天人五衰」を再読して、最後に本多が「この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまった」と思うところが心に残る。私も、小説の本多と同じくらいの年齢になってしまった。三島がこれを書いたときは、私は20代前半だった。あれから半世紀以上たったのだ。そして、私も「何もないところ」にいるような気がする。

_ 中学生のころ、ジョージ・ガモフの「不思議の国のトムキンス」などを読んで、量子力学の不思議な世界にあこがれた時から、そのような「次元を超えた」ところに真理があるのではないかと思っていた。そして、いまでも思っているが、一つも近づいていない。


2025-10-13 ハウス・オブ・ダイナマイト

_ キャスリン・ビグロー監督作品。Netflixで配信予定の作品の先行劇場上映。傑作だ。

_ 東アジアからICBMが打ち上げられる、いつものように垂直に上がって日本海に落ちると思っていたが、水平飛行に移り米国に向かう。衛星が発射時の情報を取得できなかったので誰がやったのかわからない。迎撃しようと試みるが失敗する。ICBMはシカゴに向かい、着弾して核爆発が起きた場合の死者予想は1100万人。

_ 一発のICBMでも世界の破滅をもたらしうる。大統領は、核攻撃を受けた時の報復マニュアルを持っていて、説明によると、報復は三段階に分かれていて、限定的、中程度、全面報復となり、俗に、レア、ミディアム、ウエルダンと呼ばれる。

_ 作品は、ミサイル発射の確認から到達の直前の18分を三部に分けて描写する。かかわる人間のさまざまな視点から真相がわかってくる。しかし、大統領が悩んだ末どのような結論に至ったかまではカバーしない。

_ 核武装が核戦争抑止に役立たないときがあることがわかる。しかし、そこから核の廃絶までは遠い。第二次世界大戦後80年間、核保有国が侵略されたことはない。人類史上新兵器が80年間使用されなかったことはない。これまでは抑止は存在していたのだろう。後世の歴史家はそれを奇跡というかもしれない。

_ 核兵器が廃絶される可能性は限りなく少ない。ありうるケースは核兵器を無力化する新兵器が開発されそれを一国が独占する場合だ。AIがそれを可能にするかもしれない。もっとあり得るのは、核を撃ち合い世界が石器時代に戻るというシナリオだ。


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