_ 田中麗奈扮するエリカが合コンで知り合った男と恋に落ちる。しかし、その男には1年の予定でアメリカに留学中の恋人マユミがいる。男はエリカと肉体関係になる前にこのことを説明し、マユミが帰ってきたら別れなければならないという。それでも、男を好きになってしまったエリカはその条件を呑む。
_ これを契約と考えれば、男は隠すところなく自分の置かれた情況をエリカに説明しており、エリカの側に何の誤解もない。でも、この男に好感をもたない人は多いだろう。どうしてか。男は先ず自分の保身を考えている。エリカが自分に惚れていることを奇貨として、自分に都合のよい条件を押し付けているようにみえる。生身の女であるエリカを苛酷な契約で縛り、それを望んだのはエリカなのだといえる立場を確保してから行動している。
_ 実は昔この男と同じようなこと(期間限定恋愛)をやったことがあるので、身につまされる思いがした。今でも、このような場合どう対応すればいいのか分からない。勿論、男はマユミに忠実であるべきだというのが模範回答だろうが、田中麗奈のようないい女が現れてもその気持ちは変わらないか。
_ ゴールデン・ラズベリー賞最低作品賞の「バトルフィールド・アース」(ジョン・トラボルタ)に負けないぐらいの駄作。メリハリのない退屈なストーリー、貧弱な合戦シーン(トロイが難攻不落だというのならそれを絵で示すべきだろう。城砦を壊そうとするなり、よじ登るなり。塀の前でもみ合っているだけのお粗末)、つまらないキャラクター(ヘレンのどこに魅力があるのか分からない。ブラピのアキレスは情緒不安定で粗暴なただの筋肉バカ)、大げさでウルサイだけの音楽。良かったのは海一面の船の絵。でもこれは予告編に出たので、この映画は予告編だけで十分。2時間43分の時間の無駄だった。