_ 最近ロースクールがらみの事件が続いている。ひとつは平成の阿部定事件ともいうべきロー生による傷害事件で、もうひとつはロー教授による司法試験問題漏洩。
_ 共通点があるとすれば、いずれも短絡的なのだ。つまりA地点からB地点へ行くのに回り道をせずに一直線に行ってしまうのだ。どの道を通ろうが悪は悪であるとしても知性が感じられない。
_ ロースクールの学生や教授はせめて知能犯であってほしかった。そもそもロースクールは詰め込み式の日本の法学教育を改善して自分の頭で考える人材を育成するのが目的だったはずだ。
_ 日本のロースクールがどんな教育をしているのか知らないが、アメリカのローススクールの授業はそのころ(1975年)の日本の法学部の授業とは随分違っていた。
_ たとえば、一年生のときに必須科目のcontractsがあるが、マスターで行った私もその科目を取った。私はすでに弁護士だったので授業でやっている、どのようにして契約が成立するのかなどという(これは日米あまり違いはない)話は新規なものではなかった。私がびっくりしたのは法律についてほとんど無知な一年生が果敢に教授に議論を挑んでいくことだった。その論理・論法は私からすれば無理というしかないものだったが、学生は簡単には引かない。屁理屈をこねても言葉が出てくる限り議論をやめない。この経験は後に弁護士の仕事で役立った。
_ 本論に戻ると、もし日本のロースクールでもこのような教育をしているのなら、自分の頭で考える人間が育成されているはずである。目的が仮に悪いことであっても、同じ目的を達するにはいくつも方法がありどれが自分にとってベストなのか考えられるはずである。二つの事件を見るとそれはできていないようだ。
_ ちなみに、アメリカのローススクールの授業だが、私の行ったミシガン大学には何人も日本人が来ていた。各分野で最高の地位についた人もいる。しかし我々はあの刺激的な議論に入っていけなかった。それは英語の問題ではなく、仮に議論が日本語で行われていたとしても同じだったろう。それは日本人がシャイだからなのか、考える習慣がないのか、わからない。
_ ウェス・アンダーソン監督作品。
_ 途中眠くなったが、一応面白かった。
_ アステロイド・シティは、隕石が5000年前に落ちた跡がカルデラ状になっている人口87人の町。そこに、個性的な多くの人が集まって、複雑な人間関係ができる。いわゆるグランドホテルもの。途中宇宙人が隕石を持ち去る事件が起きる。
_ ストーリーは、劇中劇のような構成で複雑でよくわからない。しかし、絵がきれいで、セリフも面白い。
_ 時代背景は、1955年で、時々爆発音と地響きがあり、見上げると遠くにきのこ雲が立ち上っている。アリゾナで昔やっていた原爆実験だろう。
_ 私は、1957年にNYに住み始めたので同じような時期だ。ドラッグストアのパンケーキが50セントの時代だ。