_ 司法研修所を舞台にしたテレビシリーズで面白い。
_ 男女4人ずつの修習生がグループで研修所の課題に取り組んでいく。一流の法律事務所が監修しているので結構勉強になる。
_ 番組評ではあまり芳しくないのだが、日本ではあまりこの手のドラマは受けないのだろうか。議論が多く時にはかなり厳しい発言もある。堤慎一が財務省を不祥事で退官した元高級官僚の役で出ているが、彼には「ずっとエリートできたやつには弱者の気持ちなどわからない」という言葉が浴びせられる。司法修習生は半分学生のようなものだけど、社会人だった人も多く互いに学生同士のように気楽に話せるわけではない。現実の修習生はあそこまで突っ込んだ会話はしていないだろう。だから評者からはリアリティーがないと言われるのだろう。
_ 確かに、激しい議論をして険悪な雰囲気になり、どうなるのだろうと思っていると次の場面では仲直りしている。現実はあんなふうにはいかないなと思う。しかし、日本語で聞いているから議論が激しく感じるのかも知れない。あれを英語でやればよくある普通の会話だ。アリーマイラブではもっとすごい言葉が飛び交い時には訴訟にまでなるが、それを変だとは思わない。
_ 自分でも英語で話しているときは別な人格を感じるときがある。日本語だったらここまでは言わないなというようなことを平気で言っている。そして議論が終ると笑顔で握手している。
_ 宮崎駿はどうしてしまったのだろう。
_ 絵はきれいだったし、音楽はよかったし、キムタク等の役者も頑張っていた。しかし、ストーリーが頭に入ってこない。
_ 途中で眠くなってしまって聞き漏らしたところもあるかもしれないが、たとえば、誰が誰に対して何の為に戦争しているのか、ハウルは何故それに参加するのか、誰が誰に対して何故魔法をかけて、それはどうすれば解けるのか、何故ソフィーはハウルに恋したのか、何故城が動かなければならないのか、等々分からないところだらけだ。
_ 主役であるはずの城にしても何故あのように巨大である必要があるのか分からない。内部の構造からすれば二階家ぐらいで十分だ。戦争は近代兵器を使って闘われるが、それと魔法の力関係が分からない。最後に魔法使いが戦争をやめさせることになるが、そんな簡単なことなのか。
_ 「千と千尋」であれだけの世界を作り上げた宮崎の作品とは思えない。
_ 昔黒澤明の「赤ひげ」(1965)を観たときのことを思い出す。観客は久々の黒澤の時代劇ということで「用心棒」や「椿三十郎」のような活劇を期待していた。私の前の席には肉体労働者風のおっさんが坐っていたが、途中で席を立って出ていってしまった。
_ 天才にも老いは来るのだ。まあ、黒澤は「赤ひげ」の後も傑作を作ったが、「用心棒」みたいな痛快な作品はもう観られなかった。