_ 郵政法案採決の前に考えてみよう。
_ 「純」という字は女の子の名前としては悪くないが、男の場合には問題がある。単純とか純粋とか、生まれてきたままのイメージがあり、力強さ、たくましさがない。それがいやな場合、強さと連繋する必要があるが、清濁併せ呑むような強さと組むと自らのアイデンティティーを失う。組める相手は純粋な強さに限られ、妥協を許さない原理主義になりがちである。
_ 硬派の「純」は、一点のくもりも許さない頑なな生き方に固執する。そのような生き方は当然矛盾に満ちた外界との摩擦を生じ、譲歩をしないことにより他人を傷つけることもある。しかし、「純」は妥協を許さない。一回でも妥協すれば「純」ではなくなってしまうから。
_ 私も、人生の岐路で、何回か何故こんなに妥協できないのだろうと思った。そんなとき、「純」の呪縛を感じた。
_ 有名なシリーズの新作。
_ 初老のターミネーターが歴史を変えるために1984年(彼がはじめて出現した時)に戻り昔の自分と対決する。
_ タイムパラドックスものだが、時間軸が複数あり、正直一回見ただけではよくわからない。この手のものの傑作には「プリデスティネーション」という作品がありお勧め。
_ アーノルド・シュワルツェネッガーと私は同い年(1947年生まれ)で、1985年にこの映画の第一作が公開されたとき私は黒澤明の「乱」の契約で忙しくしていた。8月の日航機の事故の直後にヘラルド・エースの原社長とパリに飛びプロデューサーのシルバーマンと交渉した。あの頃が私の弁護士人生の頂点であったように思えるが、当時はそんなことは考えていなかった。先ず、映画の国際共同製作契約というような誰もやったことのない仕事で悪戦苦闘していたので、その仕事の位置づけなど考える余裕はなかった。同時に、前人未踏の荒野を一人行くという気負いもあり、これはまだ出発点で、何れ自分は映画の弁護士として世界に名を馳せるという思いもあった。それは実現しなかった。
_ この映画で初老のシュワちゃん(ロボットでも皮膚は年をとるという設定)が37歳(ロボットには年齢はないのかもしれないが)の自分と対峙するところは感慨深い。