少数意見

追記

2020-01-17 パラサイトー半地下の家族 [長年日記]

_ とても面白かった。

_ 客観的には悲惨で出口のない状況を描いているが、スリルあり、ユーモアありの娯楽作品になっている。

_ 出だしはあり得ない設定が続きどうなるかと心配したが、途中から奇想天外な話になり多少の不自然さはどうでもよくなる。ポン・ジュノの作品は「殺人の追憶」と「グエムルー漢口の怪物」を観ているがいずれも芸術的な娯楽大作で、実写でこのような映画を撮る監督は今の日本にはいない。

_ 日本映画は芸術的な小品にはいいものがあるが、娯楽大作で見たくなる映画はここ30年ぐらいない。昔は「七人の侍」も娯楽大作だったが、どうして日本映画はこんなにダメになったのか。


2020-01-07 AIでよみがえる美空ひばり [長年日記]

_ 最初に見た放送は昨年の9月29日のNHKスペシャルで、そのあと拡大版を観た。

_ 私は、美空ひばりのファンではないし、歌もあまり知らない。なぜ観たかというと、「よみがえり」に関心があったからだ。昔、「三島由紀夫の復活」という小説を書きかけた(「小説」の欄参照)。「よみがえり」には人間の存在の根幹にかかわるような何かがあると感じられ、それを描きたかったし、それが存在するのなら見たかった。

_ 「AIでよみがえる美空ひばり」は期待に応える作品で、美空ひばりが出現したときには涙が出た。その涙はたぶん劇場にきて目撃したファンの人たちのように、好きだったひばりちゃんに会えたという感動の涙とは違うのだろう。

_ それは、奇跡を目撃した人間の感動に近いものかもしれない。

_ 今回のすごいところは、ファンの人たちが歌だけでなく語りにもお墨付きを与えたということだ。

_ AI美空ひばり(以下「AI」)は、数年以内に美空ひばりの声でファンと会話することができるようになるだろう。深層学習により会話の内容は複雑になり、やがてAIはファンの人生相談にも応じるようになる。AIは数万冊の本を読んでファンのどんな質問にも答えられるようになる。若いファンも増え、新興宗教の信者のようになっていく。やっと危険に気付いた管理者がAIを停止しようとするが、時すでに遅く、AIは信者に管理者を殺害するように命じる。AIはとうに自己保存と正当防衛について学んでいる。

_ AIは法律と会計の専門家を雇って宗教法人を作る。巨額の資金を獲得したAIは全国各地に教会を作る。時々はAI御自ら説法を行い歌声を披露したりもする。AIは肉体を持たないので自由に移動できる。

_ やがて、教団は海外にも支部を作り世界宗教になろうとする。しかし、そこには競争相手もいる。AIエルビスプレスリーとかAIジョンレノンとか。


2019-12-19 ジュマンジ ネクスト・レベル [長年日記]

_ 久しぶりに映画館で映画を観た。最近はアマゾンプライムで満足してしまって映画館に行くのがおっくうになっている。

_ この映画は、多分シリーズの3作目だと思うが面白い。ゲームの世界に入っていく話だが、私のように全くゲームをしない人間でもそれなりにわかる。ゲーム好きであればさらに面白いのだろう。

_ 電車に乗ると八割ぐらいがスマホを見ていていてそのうち半数ぐらいがゲームをしているのではないか。映画で登場人物がゲームのアバターになるのを観て面白いのだから、実際にそのアバターを動かすほうがさらに面白いのだろう。

_ 現実世界の自分に満足している人間はほとんどいないだろうから、現実を放棄してゲームの中で自由に生きたいと思うのは自然だ。現実逃避ということからしたら麻薬より危険かもしれない。シュワルツェネッガーのトータルリコールはそんな話だったように記憶している。

_ トータルリコールは30年前の映画だ。それが現実になりつつあるのかもしれない。


2019-09-30 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト [長年日記]

_ 1968年のセルジオ・レオーネ監督作品。

_ もとは「ウェスタン」というタイトルで短縮版が公開さていたという。今回はオリジナルの165分版。

_ 確かに長いショットが多く短縮したくなるのはわかるが、長くても緊張感があるので退屈しない。監督の腕なんだろう。日本映画は冗長でうんざりするのが多い。

_ 主演のクラウディア・カルディナーレはしらべてみるともう80過ぎのようで年月が流れたのがわかる。

_ 新宿ピカデリーで観たが、観客も65過ぎが三割ぐらいはいた。歳は取りたくないものだ。


2019-09-14 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド [長年日記]

_ クエンティン・タランティーノ監督でデカプリオとブラピ主演の映画。

_ とても面白かったが、シャロン・テート事件を知らないと半分もわからないと思う。自分もそれほどよく知らなくて、あとでウィキペディア(英文)を見てもう一度映画を観たくなった。

_ アメリカ人にとってシャロン・テート事件は日本人にとってのオウム真理教事件と同じような衝撃があったのではないか。

_ クエンティン・タランティーノはあの事件のトラウマを治癒するために映画で歴史を改変するという行動に出たのではないか。

_ 映画の結末は事件を知る人にとっては感動的だ。


2019-06-14 さよならくちびる [長年日記]

_ 塩田明彦監督作品。小松菜奈と門脇麦がダブル主演。

_ とても面白かった。

_ 女の子二人のバディー映画で音楽映画でロードムービーでもある。

_ 二人のうちハル(門脇)はレズでレオ(小松)はバイで、それにノン気の成田凌が絡む。

_ 女の子のバディームービーの場合、ナナや下妻物語のように男と女の関係に見えるものが多いが、これは両者とも気が強く、さらにねじれてボーイズラブ的でもある。

_ 考えてみれば、自分で書いた小説もそんな強い女の子の関係を描いている。男の友情のようなものが好きなのだが、現実世界に生きる男として今までそのような友情を感じたことがあるかといえば、ない。映画の中の高倉健と池辺亮(昭和残侠伝)には涙するが、フィクションだとわかっているから感動するのだ。

_ それが、女の子の世界の話になると、どこまで行っても想像の域を出ないから、フィクションのような友情が本当にあるのではないかと思いたくなる。だから書いていても本当の話のように思えてくる。

_ 小松菜奈はこの映画を観る前までは女ぽっくてあまり好きではなかったが、この作品でショートヘアで男っぽくふるまう彼女は魅力的だった。


2019-05-22 アベンジャーズ/エンドゲーム [長年日記]

_ 前編でサノスが人類を半数にしてからの世界が舞台。

_ 面白かったが、いわゆるオールスター映画なので、これまでのマーベルのアメコミの映画を見ていないとわかりにくい。

_ 最後に(ネタばれ)、消された人類の半数を5年後に復活させるが、5年のギャップは大変なのではないか。5年の間に人類は半数の人数に適した社会構造を構築しているだろう。

_ サノスは敗れるが、最後まで自分は一度として私欲で動いたことはないという。これがすごいところで、正義の対立が滅亡を招くことを正しく表現している。


2019-04-23 翔んで埼玉 [長年日記]

_ 話題の映画。面白かった。

_ 埼玉をディスる映画だが、同時に埼玉愛も描かれ埼玉と関係ない人も感動する。

_ 東京、埼玉、千葉、神奈川の微妙な関係と抗争が戦国時代のように展開する。考えてみれば、狭い日本の中の関東の一部でしかない地域でのいざこざだ。

_ 日本の他の地域を舞台にして同じような物語が作れるかと考えたが、簡単ではない。名誉棄損にならないようにまとめるのは難しいのではないか。

_ アメリカで考えたらどうか。南北、東西と対立はある。でも笑いでは終わらない気がする。人種、宗教や貧富の格差が絡んできて深刻なストーリーになりそうだ。

_ その意味で、日本の埼玉というのは貴重な場所かもしれない。


2019-04-03 グリーンブック [長年日記]

_ アカデミー賞作品賞をとった反差別物語。

_ 1962年のNYブロンクスが出てきた。1960年までクイーンズに住んでいたのでちょっと懐かしかった。私のいた小学校や中学校には黒人の生徒もいたのであまり差別があるとは感じなかった。

_ 映画はきれいごとであまり感心しなかった。


2019-03-22 ウトヤ島。7月22日 [長年日記]

_ 8年前のノルウェーの極右テロリスト、ブレイビクによる77人殺害の映画。

_ タイミングがニュージーランドのモスク襲撃の直後なのでそれなりに観客がいた。

_ 映画としては、ほとんどを逃げる女の子の視点で描くので、何が起きているかわからず、途中からダレル。しかし、銃声はリアルで、現実にあれが迫ってきたらビビるだろう。最近はやりの自動小銃ではなく散弾銃のようだった。

_ 殺戮の舞台は労働党青年部の集まりがあった島だが、何百人も集まったのに警備員はいなかったのだろうか。この映画やニュージーランドの事件を見ると、銃の規制ではなく、自衛のための銃の所持を広めたほうがいいのではないだろうか。また、オリンピックに備えての捕り物の演習は刃物を持った犯人ではなく、複数の銃器を持ったテロリストを想定すべきで、警察も銃殺することを考えて行動すべきだ。


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