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2006-07-18 畠山被告

_ 畠山被告に彩香ちゃん殺害容疑で逮捕状が出たとのこと。

_ この事件の異様さは、動機が理解し難いことだ。自分で殺しておいて、事故と断じた警察に事件としての捜査を執拗に求めるのは異常である。また、豪憲君の殺害により自分が最初に疑われ彩香ちゃんの件も再捜査されることは十分予測できる。

_ 何がおかしいかというと、犯行を実行する自分と犯人を処罰したいと願う自分が二人いるかのようなのだ。単一の人格にこのような二面性を認めることは困難だ。

_ そこでまた頭に浮かぶのは多重人格の可能性だ。これまで書いたように、佐世保小6事件やタリウム少女事件は多重人格を考えると理解しやすい。というか、そう考えないと理解できない。本件はそこまで特殊ではないが、畠山被告が過去のいじめにより解離性人格障害になっていたということは考えられる。

_ 具体的に見ていこう。Aという人格は普通に娘を可愛がる母親だ。畠山被告には、そのような一面があったと報道されている。しかし、畠山被告には、娘を疎んじて娘を殺害してでも自由になりたいと願うBという人格が共存している。Bが出現しているときAは消えていてBの行動を認識できない。でも、AはBの存在を知っているので、彩香ちゃんが行方不明になったときBの犯行だと思った。AはBを処罰したいと思ったが警察は事故と断定した。そこでAは事件であると騒ぎ立て警察の捜査を促した。

_ では、豪憲君を殺したのはどっちの人格だろう。Aが警察を動かすためにしたのか。それとも、第一の犯行で味を占めたBの犯行だったのか。はたまた第三の人格が出現したのか。

_ 精神医学においては、多重人格(解離性人格障害)はめずらしい症状ではないようだ。しかし、これが刑事裁判で認められたことはない。宮崎勤事件で、多重人格を認定した鑑定書が出されたが裁判所は採用しなかった。多重人格を認めてしまうと、責任という概念が崩壊してしまう。

_ 畠山被告の場合に多重人格を認めると、Bが両事件の犯人であったとして、Bが治療により消滅したら、畠山被告が無罪になるのか。社会的には受け入れにくい結論だろう。

_ 刑法は科学ではなく、もっともらしさの学問だから、真実が世論の考えるところと違う場合世論の側につく。


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