少数意見

最新 追記

2004-08-05 トロイ [長年日記]

_ ゴールデン・ラズベリー賞最低作品賞の「バトルフィールド・アース」(ジョン・トラボルタ)に負けないぐらいの駄作。メリハリのない退屈なストーリー、貧弱な合戦シーン(トロイが難攻不落だというのならそれを絵で示すべきだろう。城砦を壊そうとするなり、よじ登るなり。塀の前でもみ合っているだけのお粗末)、つまらないキャラクター(ヘレンのどこに魅力があるのか分からない。ブラピのアキレスは情緒不安定で粗暴なただの筋肉バカ)、大げさでウルサイだけの音楽。良かったのは海一面の船の絵。でもこれは予告編に出たので、この映画は予告編だけで十分。2時間43分の時間の無駄だった。


2004-08-09 下妻物語ー5回目 [長年日記]

_ 短期間に5回も観てしまった。

_ 毎回新たな発見があり、好きな場面が変わったりする。初回は、桃子のレディース相手の立ち回りが気に入らなかった。桃子は最後までロリータであってほしかったのだ。しかし、2回目以降好きになり、やがて一番好きな場面になった。物語的にも重要な場面だ。

_ 映画を一回観ただけで批評するのは難しい。前回「トロイ」について書いてから2チャンネルの映画板を見たら、「トロイ」を何回も観てはまっている人も多いようだ。私ももう一度観れば印象が変わるかも知れない。観ないと思うが。

_ さて、「下妻物語」から一つの絵を選ぶとすれば、桃子が池(水たまり?)の中で立ちあがり、レディースの連中をにらみつけるところだ。桃子がバアチャンの原チャで牛久大仏の裏の墓地に現れてからこの場面までは多少の時間がある。イチゴを取り囲んでいるレディースの中に原チャで突っ込んだが振り落とされた桃子はまだロリータだ。それがイチゴとレディース対決を目の当たりに見て、イチゴが窮地に立つことで桃子はロリータからヤンキーに変身する。

_ レディースの一人に池の中に突き落とされ、起きあがったとき、桃子は変身し、表情は一変している。そして関西弁で啖呵を切る。仮面ライダーばりの変身劇だが、ロリータからヤンキーという振幅の大きさが衝撃的だ。また、この変身は外見だけではなく、内面の深いところでの変化も伴っている。桃子は、ロココの精神からは認められないみっともない行動を自らの意志でとることにしたのだ。ママチャリに乗るのがみっともないと駅まで30分歩いた桃子が金属バットを振り回して暴れる。(友達、親、子供などは)自分にとっては社長、係長、飼育係や管理人と同じように単なる肩書きでしかない、と言う桃子が友達の為に闘う。

_ この変身をもたらしたのは、イチゴへの友情(愛情か?)で、それまで不器用に表現されたイチゴの思い(片思い?)に対する桃子の回答だった。

_ 原作者の野ばら氏は、最初桃子を深田恭子が演ずることにイメージが違うと感じたそうだが、確かに原作では桃子は身長150cmとあり、深田とは違う。しかし、ヤンキーに変身してからの桃子を演じるとなると、深田は適役だろう。ロリータとヤンキーの両方ともが地ではないかと思わせる深田恭子は不思議な女優だ。

_ なにはともあれ、原作、脚本、演出、キャスティング、演技、音楽等々全てがそろった奇跡のような作品である。


2004-08-23 女子マラソン [長年日記]

_ ラドクリフの圧勝と予想したが、野口だったら勝てるかもしれないと思って見ていた。意外なことにラドクリフは脱落したが、独走する野口にヌデレバが迫ってきた。東京オリンピックの時の円谷を思い出して、またあの光景は見たくないと思った。

_ 東京オリンピックの時私は高校生で高校から券が配られ、女子砲丸投げを見た。太ったおばさんを見たという記憶しかない。マラソンはテレビで見たが、一つの場面だけが強烈に記憶に残った。それは円谷が抜かれた瞬間だ。

_ 鉄人アベベがゴールしてから、約2分遅れで円谷幸吉が国立競技場に入ってきた。しかし、そのすぐ後に英国のヒートリーが来た。疲れ果てた様子で後ろを振り返ることなく走る円谷にヒートリーがひたひたと迫る。そして、第3コーナーでスピードを上げたヒートリーはするすると円谷を抜き去った。その光景は、私の記憶の中ではサイレント映画のように音がない。

_ しばらくして、円谷はあの有名な遺書を残して自殺した。「父上様、母上様、三日とろろ美味しゅうございました。干し柿、もちも美味しゅうございました」で始まる遺書だ。まだ戦後が終っていない頃、国民の期待を一身に背負った実直な自衛官が選んだ道だった。オリンピックで抜かれたことが直接の原因ではなかったのだろうが、思い出すとあの光景と自殺が重なってしまう。

_ あれから40年が経って、日本の若者は変わった。今回のオリンピックを見ても逆転負けは少なくなり(以前は日本選手は最後で余力がなく逆転されることが多かった)、反対に最後に抜いて勝つパターンも出てきた(女子800メートル自由形の柴田亜衣とか)。負けた連中もそれほど悲愴感はないだろう。負けても競技を楽しんだと言って批判されたシドニー大会の女子競泳陣の精神がいい方向で生かされているようだ。


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