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2004-08-09 下妻物語ー5回目

_ 短期間に5回も観てしまった。

_ 毎回新たな発見があり、好きな場面が変わったりする。初回は、桃子のレディース相手の立ち回りが気に入らなかった。桃子は最後までロリータであってほしかったのだ。しかし、2回目以降好きになり、やがて一番好きな場面になった。物語的にも重要な場面だ。

_ 映画を一回観ただけで批評するのは難しい。前回「トロイ」について書いてから2チャンネルの映画板を見たら、「トロイ」を何回も観てはまっている人も多いようだ。私ももう一度観れば印象が変わるかも知れない。観ないと思うが。

_ さて、「下妻物語」から一つの絵を選ぶとすれば、桃子が池(水たまり?)の中で立ちあがり、レディースの連中をにらみつけるところだ。桃子がバアチャンの原チャで牛久大仏の裏の墓地に現れてからこの場面までは多少の時間がある。イチゴを取り囲んでいるレディースの中に原チャで突っ込んだが振り落とされた桃子はまだロリータだ。それがイチゴとレディース対決を目の当たりに見て、イチゴが窮地に立つことで桃子はロリータからヤンキーに変身する。

_ レディースの一人に池の中に突き落とされ、起きあがったとき、桃子は変身し、表情は一変している。そして関西弁で啖呵を切る。仮面ライダーばりの変身劇だが、ロリータからヤンキーという振幅の大きさが衝撃的だ。また、この変身は外見だけではなく、内面の深いところでの変化も伴っている。桃子は、ロココの精神からは認められないみっともない行動を自らの意志でとることにしたのだ。ママチャリに乗るのがみっともないと駅まで30分歩いた桃子が金属バットを振り回して暴れる。(友達、親、子供などは)自分にとっては社長、係長、飼育係や管理人と同じように単なる肩書きでしかない、と言う桃子が友達の為に闘う。

_ この変身をもたらしたのは、イチゴへの友情(愛情か?)で、それまで不器用に表現されたイチゴの思い(片思い?)に対する桃子の回答だった。

_ 原作者の野ばら氏は、最初桃子を深田恭子が演ずることにイメージが違うと感じたそうだが、確かに原作では桃子は身長150cmとあり、深田とは違う。しかし、ヤンキーに変身してからの桃子を演じるとなると、深田は適役だろう。ロリータとヤンキーの両方ともが地ではないかと思わせる深田恭子は不思議な女優だ。

_ なにはともあれ、原作、脚本、演出、キャスティング、演技、音楽等々全てがそろった奇跡のような作品である。


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