少数意見

最新 追記

2017-04-03 映画「乱」4Kデジタル修復版

_ たまたま夕刊紙でこの映画を恵比寿ガーデンシネマでやることを知って予約した。初日だったので映画の後にトークショーがあり野上さんと仲代さんが出るとのこと。

_ 久しぶりに観たが、昔よりいい映画だと思った。救いのない悲劇だが、今の世の中が黒澤の考えていて恐れていた世界に追いついたのかもしれない。

_ 野上・仲代対談は司会者が質問する形で行われた。司会者が野上さんに対して、「乗杉弁護士の書いたものを読んだのですが、「乱」の仕事は大変だったようですね」と聞いた。突然自分の名前が出てきてびっくりした。

_ 野上さんがあの文章を読んでいるか知らないが、読者が何人かはいるというのはうれしいことだ。


2017-04-05 キングコング 髑髏島の巨神

_ キングコングの映画は、エンパイアステートビルに上ったのと、ワールドトレードセンターに上ったのの二作品を以前観たが、今回のコングは島を出なかった。続編があるようだ。

_ 面白かったのは、島に太平洋戦争の残留米兵がいたことだ。彼は、パラシュートで日本兵と同時に島に落下し、軍刀を持った日本兵に追いかけられて絶体絶命の状況でコングが現れた。詳細はわからないが、その後二人は親友になり、原住民たちと暮らしながら脱出を計画していた。やがて日本兵は死に、28年が過ぎたときに突然探検隊がやってきた。

_ 探検隊はベトナム戦争終結後帰国するはずだった米国兵に護衛されていた。残留米兵が、ところで戦争はどっちが勝ったのか?と聞いたら、ベトナム帰還兵は which war? と聞き返した。

_ ちなみに、UNITED STATES OF JAPAN という小説を読んだが、これは日本が勝ってアメリカをナチスドイツと分割統治している話だ。面白かった。


2017-04-24 ゴースト・イン・ザ・シェル

_ 攻殻機動隊の海外版実写。

_ スカーレット・ヨハンソンがとてもきれいで決まっていた。たけしだけが日本語をしゃべっていて変だった。

_ 情景はブレードランナーの世界のようで、海外SFの考える未来世界は東洋的だ。撮影は香港でも行ったようだ。


2017-04-27 ろくでなし

_ 近くのユーロスペースでやっていたので,あまり期待しないで観たがよかった。

_ 初期の北野たけしのように暴力をリアルに描いていて、テーブルの上の重い灰皿を突然つかんで相手を殴るのは、たけしの「3-4X10月」のパクリだ。

_ 舞台は渋谷駅から道玄坂を上って奥渋谷までの事務所の近くで、よく昼飯を食べる店の前を主人公が歩いたりして面白かった。澁谷もこの辺りは表参道や原宿とは違ってあぶない人間が多い。


2017-04-29 声優のアイコ事件

_ 声優のアイコを名乗り昏睡強盗をした事件につき10年の判決が言い渡された。

_ 裁判所は被告人(神いっき)が多重人格者である可能性は認めたが、犯行時には主人格である神いっきが単独で犯行に及んだと認定したようだ。神は生物学的には女性だが、性同一性障害で男性として暮らしていた。犯行時は女装して声優のアイコなどと名乗っていた。

_ 弁護側は犯行時は別人格のミサキという女性の人格が表に出ていて主人格の神とは意思の連絡がなかったと主張した。しかし、裁判所は、犯行時に神名義でメールを送っていたことから神の人格が犯人だと認定したようだ。

_ 事実認定については、裁判記録を見なければ詳細はわからないが、裁判所が多重人格の可能性を認めたなら、無罪を言い渡すべきである。

_ 多重人格は一つの肉体の中に複数の人格が存在している状態であるが、その一つの肉体を拘束すれば、犯罪に関与していなかったほかの人格をも拘束することになる。多重人格が可能性の段階であっても、無実の人格を罰するおそれがあるなら無罪にしなければならない。

_ 密室で一人が殺され、その部屋には犯人の可能性がある4人がいたとしよう。でも4人のうち誰が犯人であるかわからない。その場合には4人とも無罪になる。同じことだ。


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