_ 細田守監督作品。
_ 「バケモノの子」がつまらなかったので期待していなかったが、意外に面白かった。
_ しかし、予想していたような予定調和の世界を描いたものではなく、何やら不穏な空気が漂う映画だった。
_ 夫婦、親子、兄弟の間に、軋みのようなものがあり、最後まで解消されない。みらいの手のひらには赤いしみがあり、それが未来のみらいを示す印となっていたのだが、それが最後には消えてなくなるという期待に反して映画は終わる。優しくない。
_ 未来の世界の兄と妹は仲がいいようには見えず、さらに深刻な破局さえ予感させる。
_ 考えてみれば、現実の夫婦や兄弟で本当に仲のいいのがどれだけいるかと言えば、多くはない、いやかなり少ないだろう。