_ 期待していたがいまいちだった。
_ NYで小学生だった1957年から60年あたりが時代背景で、走っている車の形を見てわかった。その意味で懐かしい映画だった。
_ 残念なのは、悪役の描きかた。当時としてはごく普通の保守的、傲慢な白人男性。対するは障碍者、同性愛者、黒人。そして白人は半魚人に指を食いちぎられ、縫い付けても指は腐り、最後には殺されてしまう。これって逆差別ではないか。
_ 列車でのテロの話。
_ この映画は、実際の事件の登場人物が演技している。それがなかったらつまらない映画だっただろう。
_ しかし、本人がやるだけで結末がわかっている話でも飽きずにみられるから面白い。
_ 三人のアメリカ人の中で一番マッチョなスペンサーが犯人に飛びつく。そのとき犯人は自動小銃の引き金を引く。空砲だった。あれが当たってていたらスペンサーは多くの犠牲者のうちの最初に殺された人として記録に残っただろう。
_ アメリカのギャング映画の銀行強盗のシーンで,don't try to be a hero と誰かが叫ぶのを何回か観た覚えがある。日本ではありえないことだろう。アメリカには銃を構えた犯人にとびかかる奴がいるのだ。
_ 自分も何回かそのような状況を夢想したことがあるが、実際には何もできないだろうと思った。仮に勇気があっても、果たしてここで飛び出して行っていいのかと考えた時点で行動はできなくなるだろう。
_ スペンサーのすごさは考える前に行動するところで、それは野獣の本能に近い。
_ 丸の内TOEIで観た。終わりかけなので350人の劇場に観客は10人ほど。
_ 1967年のデトロイト暴動を背景に警察の黒人殺害事件を描く。キャサリン・ビグロー監督作品は、ハートロッカーとゼロ・ダーク・サーティーを観ているが、これもいい作品だった。
_ 容疑者の警察官はみな刑事裁判で無罪になったが、この映画は実際は彼らが殺人者であるとしている。
_ 弁護士として気になるのは、製作者は名誉棄損の訴訟の可能性をどう評価したのかである。日本だったら絶対映画化しないだろう。