_ 面白かった。
_ アメリカに住む韓国の大富豪の跡継ぎが代々奇病にかかり、何かの祟りではないかと考える。そこで、富豪の当主は高額の報酬を提示し、集まった巫堂(ムーダン)、風水師、葬儀師が韓国にある先祖の墓を掘り起こし、お祓いと改葬をする話。
_ この手の話は、墓に悪霊、悪魔の類がいて暴れだすというのが定石だ。しかし、その墓に日潜んでいたのが、日本人の霊だったのが意外で衝撃的だった。
_ まず、掘り出された棺には日韓併合の時に暗躍した日本の軍人の霊がいた。さらにその棺の下に巨大な棺が縦に埋まっていてそこに葬られていたのは、関ヶ原の戦いで死んだ西軍の将軍と自称する霊だった。兜をかぶったその侍の霊は巨大で強力で、巫堂たちを追い詰める。
_ 朝鮮半島と日本との関係について考えさせる設定だ。日本は歴史的に見て三回朝鮮半島を侵略している。一番最近は1910年の日韓併合で、その前は、秀吉の朝鮮派兵。さらにその前には、倭寇による侵略があった。
_ この映画で描かれている将軍の霊(石田三成か)は、さらに北へ進軍しようとしている。戦いが終わったことは認めない。朝鮮にとって日本はどんな存在であったのか。繰り返される自然災害のようなものか、または何度も日本を襲うゴジラのようなものか。
_ 朝鮮半島を占領していたのは、我々の親や祖父の時代だ。そんな昔の話ではない。三度あることはまた起きると見るほうが安全だ。韓国や北朝鮮からすると日本は凶暴で残虐な民族なのだろう。
_ この映画を観たのは祝日の昼で、観客は多かった。中高生の女子が目についた。将軍の霊とムーダンが日本語で話すのを面白がっていた。平和な日本の休日だった。
_ つまらなかった。
_ 「カメラを止めるな!」と同様に低予算でありながら口コミでヒットしている作品という情報を信じて観たが、損した。
_ ストーリーは平凡で、登場人物はみな善人で面白みがなく、コメディーの部分は全然笑えず、演技はわざとらしく、早く終わらないかとばかり考えていた。
_ 考えさせる映画。
_ 人間が様々な動物に変異してしまう奇病が発生し、フランソワの妻もそれに感染し、南仏にある施設に隔離される。フランソワは息子のエミールとその施設の近くの村に移り住む。妻を含む「新生物」を移送中のバスが事故で転落し、「新生物」が森に逃げ出す。警察、軍は村人とともに、「新生物」を追い、抵抗するものは駆除する。エミールも感染していることが判明する。
_ 村人はみな白人で、フランスの移民に対する嫌悪感を連想させる。
_ 感染した人は、徐々に動物化する。やがて言葉がしゃべれなくなり、動物と見分けがつかなくなる。そうなると村人は「新生物」を殺すことに躊躇しなくなる。クマを駆除するのと同じだ。「人を殺してはならない」という命題が適用できなくなるからだ。では、どこまでが人間でどこから人間以外になるのか。人間の言葉を解さなくなる時点か。又は、元が人間であれば、どこまで動物化しても、人間として尊重すべきなのか。
_ 昨今は、相手にテロリストというレッテルを貼れば殺してもいいようだ。映画「シビル・ウォー」の What kind of American are you? という質問を思い出す。