_ 朝青龍は昨日までで13連勝している。今場所はどうなるか気になったので朝青龍の取り組みは全部見ている。
_ 続けて見ていて感じたのはどんどん安定感が出てきているということで、昨日の千代大海戦はそれがはっきり分かった。千代大海の鋭い当たりをほとんど下がることなく受け止めていた。土俵に根が生えているという表現がぴったり当てはまる。
_ 初日の稀勢の里のときはいっぺんに土俵際までもっていかれ危なかった。それと比べると昨日は体重が倍になったように動かなかった。
_ 大東流合気柔術の中興の祖といわれる武田惣角は自在に自らの体重を変えられたという。弟子たちに自分を持ち上げさせ、それから体重を増していく、すると弟子たちは惣角の体重に押しつぶされてしまうと。
_ 朝青龍の今場所の変わりかたは常識を超えたものなので超常的な何かが関わっているかもしれない。しかしそんな超能力を使えるのなら初日からやらなかったのはおかしいとは思うが。
_ 琴欧洲戦もその意味で興味深かった。それは勝負が決まってからのこと。朝青龍は転んだ琴欧洲の頭の上で大きく左腕を振った。それを朝青龍がよくやるダメ押しの技と思ったテレビの解説者がいたが、多分30センチ以上外れていたのでそれはない。さらに不思議だったのは琴欧洲が勢いよく土俵を飛び出していったこと。それほど強烈な投げ技ではなかったのに。
_ 私はあれは気で押したのだと思った。西野流呼吸法の対気では気で人を飛ばす。指導員に飛ばされた塾生のなかには壁際のマットに当たった後はね返って部屋の反対側のマットに向かって走る人が最近多い。それを手を振って気で押す指導員がいる。ちょうど朝青龍がやったようなしぐさで。気を受けた塾生はさらに勢いをつけて走る。
_ 本当のところは分からないが、気は存在するし、格闘技とは深い関係がある。今日、明日の取り組みが楽しみだ。
_ 麻生太郎が大相撲の千秋楽で朝青龍に内閣総理大臣賞を渡す際、「賞」を飛ばして読んだことが話題になっている。またか、という感じだが笑い事で済ませていいのだろうか。
_ 麻生は「横綱は強くなくっちゃ」と言って笑いながら総理大臣杯を渡したと報道されているが、あれは決して楽しい笑いではなかった。土俵に上がったときから動きがぎこちなく、ひきつったような笑いを浮かべていた。何をやっても笑いが取れないピエロの泣き笑いのようだった。
_ 麻生もプレッシャーに押しつぶされかけている。
_ 今DVDでアメリカのTVシリーズ、ザ・ホワイトハウス(原題は The West Wing)を観ている。この作品や「24」シリーズを観ると、アメリカ人が大統領の必要条件の第一に考えているのがストレスに強いこと、特に危機的な状況に対応できる能力だということが分かる。
_ アメリカ大統領は核のボタンを持っているので日本の総理大臣とは違うというかもしれないが、日本だっていつ大災害が起きるか、テロの対象になるか、北朝鮮のミサイルが飛んで来るか分からない。
_ そのときに迅速な判断と行動が取れる人が総理大臣でないと多くの人命が失われることになる。笑い事ではないのだ。
_ ジョージ・W・ブッシュ前アメリカ大統領はあまり評判がよくないが、イラクで靴を投げつけられた事件を見て、少なくとも日本の首相より危機対応能力はあると思った。安倍だったらもろに顔面で靴を受け止めただろうし、福田だったら、ブッシュのようにユーモアで返すことは出来ず、切れていただろう。