少数意見

最新 追記

2003-03-07 黄泉がえり

_ ネタバレあり。いつもそうですが。

_ 「害虫」(これも傑作)の塩田明彦監督作品。

_ 熊本のある限られた地域で死者が復活するという現象が多発する。死者は、超常的な力により、最もその人を愛していた人の元に帰ってくる。

_ このような思念の物質化による死者の復活は「火星年代記」(レイ・ブラッドベリ)や「惑星ソラリス」(スタニスラフ・レム)で扱われ、いわばSFの定番だが、この作品は群像劇としていくつもの喜びと哀しみを感動的に描く。死者はつかの間の再会の後消えていく。

_ 私は、いじめで自殺した中学生の男子がひそかに彼に思いを寄せていた同級生の女子の元に復活するエピソードが一番好きだった。多分見る人によって感動する対象が違うだろう。私にとって中学校の3年間は特別な時間だった。夢が現実に阻まれる前の最期の期間だったような気がする。学校のグラウンドで再び別れが来ることを知りながらみつめあう二人の姿に感動した。私にそのようなことがあった訳ではなく、ノスタルジーが具体的な形を持っているということではないが、純粋でありえた時間がそこにあったという感慨がある。


2003-03-22 007/ダイ・アナザー・デイ

_ 「007」シリーズの第20作目とのことで、昔のなつかしい作品へのオマージュに満ちた楽しい映画だった。

_ ハル・ベリーが海から上がってくるところは「007は殺しの番号」のウルスラ・アンドレスだし、「007/ゴールドフィンガー」のショーン・コネリーとハロルド坂田の格闘、ハイテク装備のアストン・マーチン、日本を舞台にした「007は二度死ぬ」の阿蘇山の基地などを思い出した。

_ 第1作の「007は殺しの番号」が日本で公開されたのは1963年のことだが、私はその前から007シリーズを読んでいた。中学生のころミステリーにはまって、クロフツの「樽」とかの古典からダシェール・ハメットの「マルタの鷹」などのハードボイルドまで、主に洋ものを幅広く読んでいた。

_ 「007」の映画は多分14、5本観ていると思うが定かではない。一般的にスパイものはソ連という敵がいなくなってからつまらなくなった。今回の北朝鮮はソ連に比べれば小物だが、不可解でなにをやるか分からないという危険性が悪役の条件を満たしている。

_ 映画の先見性からすると、北朝鮮との戦争は近いか?


2003-03-24 「千と千尋」アカデミー賞受賞

_ やりましたね!

_ 宮崎監督も鈴木プロデューサーも授賞式に出席しないとのことで、落選という事前情報による決定かと思っていた。ディズニーの圧力にも負けずに、いいものはいいという審査員に乾杯!


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