少数意見

_ TOHOシネマズが再開したので日比谷で観てきた。

_ 観客は、老人ばかりかと思ったがそうではなく世代に関係なく8割ぐらいの入りだった。

_ いろいろな感想がありまとまらないが、東大全共闘の論客と紹介された芥正彦氏の最後のインタビューが印象に残った。

_ 「芥さんは三島の死をどう思いましたか」

「よかったと思った」

「なぜですか」

「それは、あれだけの大（だい）芝居を打ったからだ」

_ それまで揶揄するような調子で話していた芥氏がまじめに答えた。

_ 前衛演劇をずっとやってきた芥氏としては否定できない事実だったのだろう。

_ 三島のようなすべてを見通す認識力を持った人間が、現実世界で一介のテロリストとして生涯を終えたのか、本人が最後までテロリストとしての栄光を感じえたのかは永遠に謎だ。