_ 村上世彰が容疑を認める記者会見を終えてから逮捕された。プロ中のプロとして逮捕されても裁判では絶対無罪になると自信ありげに語っていた同氏が何故突然降参したのか。諸説あるが、裁判で勝つ見込みが無いと判断したのだろう。
_ では何故プロ中のプロがそのように危ない取引をしたのか。本人はインサイダーの認識はなかったと弁解しているが、危険は十分わかっていたはずだ。それでも引き返さなかったのは何故か。多分みんなが同じようなことをしていたからだろう。
_ 私は、バブルの頃ささやかな株投資をしていた。その時学んだのは、証券会社の薦める株を買ったら損をするということだった。証券会社が教えてくれる情報は誰かが噛んで捨てたガムのようなもので、何の価値も無い。本当に価値のある情報を手に入れるのは少数の特別な人で、その連中がクリームの部分を持っていくのだ。日本の証券市場はインサイダー天国だった。今でもそれは変わっていないのではないか。
_ 「辻元さんの罪」という項でも書いたが、日本の法律はダブルスタンダードだ。違法が野放しになっていてそれが常態である世界がそこらに存在する。しかし、そんな世界でも目立ちすぎると司直は当然のごとく摘発する。マスコミも、目立たない悪には目をつぶり、血祭りに挙げられた犠牲者のみを糾弾する。
_ これは日本特有の現象ではないかと思うが、あまり論じたものがない。言挙げすること自体がタブーなのだろうか。
_ 昨日のオーストラリア戦は弱いから負けるとしか言いようのないひどい試合だった。試合前の新聞やテレビの予想では日本有利というのが多かったがあれは何だろう。冷静に実力を見れば日本は3連敗の可能性が高い。日本人は全体の空気に反して行動することが苦手でそれがまた空気の拘束力を強めていく。太平洋戦争に突入したときもこんどのW杯のように冷静な戦力分析もせずにアメリカに勝てると思ったのだろう。
_ さて、シンドラー社のエレベーターの話だが、いつものようにマスコミは事実を分析することなく安易に結論にとびついている。機械が事故を起こしたときは、メーカー、メンテナンス会社またはユーザーの責任を検討する必要がある。今回はユーザーの責任はないだろうから、前2者いうことになる。シンドラー社のエレベーターが世界中で多くの事故を起こしていることを根拠にしているようだが、他社と比較しないと何の意味もない。トヨタ車が沢山事故を起こしているとしても、GM車がもっと事故を起こしていれば、それは自動車全体の問題になる。有用性と危険を比較考量して自動車を禁止するかどうか判断することになる。
_ 何回も言うが、日本のワイドショーは人民裁判である。レポーターが検察官で、司会者が裁判官で、ゲストが陪審員というところ。でも弁護人はいない。「和をもって貴しとす」ということなのか、みんなが異口同音に同じことを言うのを好む。シンドラー社の弁護人がいればワイドショー程度の甘い攻撃は簡単にかわせる。しかし、視聴者は安易な勧善懲悪劇を望んでいる。事実を分析して判断する力も意欲もない。それでいて日本の方向を決定するのは、そのような人なのだ。
_ 今朝クロアチアとブラジルの試合の最後の方をみた。クロアチアは強い!このままでは日本は大差で負ける。
_ 評論家は色々と対策を考えているようだが、私が監督だったら、これから試合当日まで全て休日にしサッカーのことは考えさせない。これは変な考えではない。オーストラリアは日本との試合の2日(?)前を休日とし練習をしなかった。WBCの時、メキシコは米国戦の前日ディズニーランドに行って、米国に勝った。おかげで日本は生き残った。
_ 私は、オーストラリア戦での柳沢の力のないシュートを見て、あれは身体が疲れているのではなく精神がまいっていると思った。あたかも鬱病の患者が一生懸命やろうと思っても身体が気持ちを裏切っていくような。チーム全体がプレッシャーに押しつぶされて鬱状態になっている。そんな時にいくら練習をしても症状は悪化するだけだ。サッカーを忘れる必要がある。そういっても自由時間も自主練習をしそうな連中だから、別のゲーム(例えばソフトボール、ボーリング等の危険の少ないもの)をして楽しめばいい。
_ このまま一生懸命やって惨めな敗戦を繰り返せば鬱は日本社会全体に伝染し広がる。鬱病は伝染するのだ。鬱病には「頑張れ!」という励ましは禁句だという。だからサポーターもマスコミも、「頑張れ!」と言わずに「たかがまり蹴りなんだから熱くなるな。気楽にやろう」と言おう。