_ 昨日のオーストラリア戦は弱いから負けるとしか言いようのないひどい試合だった。試合前の新聞やテレビの予想では日本有利というのが多かったがあれは何だろう。冷静に実力を見れば日本は3連敗の可能性が高い。日本人は全体の空気に反して行動することが苦手でそれがまた空気の拘束力を強めていく。太平洋戦争に突入したときもこんどのW杯のように冷静な戦力分析もせずにアメリカに勝てると思ったのだろう。
_ さて、シンドラー社のエレベーターの話だが、いつものようにマスコミは事実を分析することなく安易に結論にとびついている。機械が事故を起こしたときは、メーカー、メンテナンス会社またはユーザーの責任を検討する必要がある。今回はユーザーの責任はないだろうから、前2者いうことになる。シンドラー社のエレベーターが世界中で多くの事故を起こしていることを根拠にしているようだが、他社と比較しないと何の意味もない。トヨタ車が沢山事故を起こしているとしても、GM車がもっと事故を起こしていれば、それは自動車全体の問題になる。有用性と危険を比較考量して自動車を禁止するかどうか判断することになる。
_ 何回も言うが、日本のワイドショーは人民裁判である。レポーターが検察官で、司会者が裁判官で、ゲストが陪審員というところ。でも弁護人はいない。「和をもって貴しとす」ということなのか、みんなが異口同音に同じことを言うのを好む。シンドラー社の弁護人がいればワイドショー程度の甘い攻撃は簡単にかわせる。しかし、視聴者は安易な勧善懲悪劇を望んでいる。事実を分析して判断する力も意欲もない。それでいて日本の方向を決定するのは、そのような人なのだ。