_ 村上世彰が容疑を認める記者会見を終えてから逮捕された。プロ中のプロとして逮捕されても裁判では絶対無罪になると自信ありげに語っていた同氏が何故突然降参したのか。諸説あるが、裁判で勝つ見込みが無いと判断したのだろう。
_ では何故プロ中のプロがそのように危ない取引をしたのか。本人はインサイダーの認識はなかったと弁解しているが、危険は十分わかっていたはずだ。それでも引き返さなかったのは何故か。多分みんなが同じようなことをしていたからだろう。
_ 私は、バブルの頃ささやかな株投資をしていた。その時学んだのは、証券会社の薦める株を買ったら損をするということだった。証券会社が教えてくれる情報は誰かが噛んで捨てたガムのようなもので、何の価値も無い。本当に価値のある情報を手に入れるのは少数の特別な人で、その連中がクリームの部分を持っていくのだ。日本の証券市場はインサイダー天国だった。今でもそれは変わっていないのではないか。
_ 「辻元さんの罪」という項でも書いたが、日本の法律はダブルスタンダードだ。違法が野放しになっていてそれが常態である世界がそこらに存在する。しかし、そんな世界でも目立ちすぎると司直は当然のごとく摘発する。マスコミも、目立たない悪には目をつぶり、血祭りに挙げられた犠牲者のみを糾弾する。
_ これは日本特有の現象ではないかと思うが、あまり論じたものがない。言挙げすること自体がタブーなのだろうか。