_ 定額給付金の総額は2兆円になるようだが、それを宝くじの賞金にしたら面白い。
_ 一億円の当たりくじが2万本できる。つまり2万人の億万長者が同時に生まれることになる。
_ 当選者にはプリペイドカードで賞金を交付し、カード使用期限は6ヶ月とし、買える商品も住宅、自動車、家電など裾野の広いものに限定する。
_ 当選者は限られた期間内に消費しなければならないので通常では買わないものも買うことになり、いやでも消費を刺激する。
_ それだけで終わってしまえば一時の祭のように活況は続かないが、祭りが気分を変えることはある。
_ 日本には400兆円の個人資産があるという。資産家は不況であろうとも高級車を買う金ぐらいある。しかし、社会全体が緊縮ムードにある時散財をすることは憚られる。戦時中の「贅沢は敵だ!」のように、この時期に派手な金の使い方をすれば顰蹙を買う。
_ でも、2万人が一斉に高額品を買うことになればタブーは無くなる。資産家も自由に物が買えるようになる。2兆円が呼び水になり400兆円が動くのだ。1万2000円の定額給付金ではこのような効果は望めない。
_ 麻生批判についてはあまり異論はないようだが、定額給付金についての発言は誤解されていると思う。
_ 小泉は「私は本当にこの法案が3分の2を使ってでも成立させなきゃならない法案だとは思っていないのです」と言っている。その前では「衆議院と参議院の意見が違ったら、どういう政策なら国民が納得できるかよく協議してもいいのではないかと私は思う」と言っている。
_ 衆議院の優越は憲法に規定されているが、どんな問題でも3分の2で押し切ってはいけないということではないか。自民党が衆議院で3分の2を占めているのは郵政選挙の結果で、それが今の民意を反映していないことは明らかだ。また定額給付金については世論の大勢は反対と思われ、そのような問題のある法案が参議院の反対を押し切って衆議院で成立するのは憲法の精神ではないだろう。
_ 小泉はさらに「この定額給付金についてはもっと国民に懇切丁寧に妥当な答えを出してほしいなと思っています」と述べている。
_ 自ら常識人であると言っている小泉の発言を素直に解釈すれば、きわめて穏当な意見だと言える。
_ 私があの泥酔記者会見の映像を最初に見たのは、日曜日の17時半のニュースだった。そこでの解説は質問と大臣の回答に食い違うところがあったというあっさりしたものだった。しかし、見て分かるとおりそんな生易しいものでなく、小渕元首相が倒れる前の記者会見を思い出したので他チャンネルで続報を探した。
_ 結局当日は騒ぎにもならず、翌日の新聞にも、日経では3面に小さな囲み記事が載っただけだった。
_ 騒ぎになってからワイドショーなどでは、あの時会見を取材していた記者が大臣の態度がおかしいことを質さなかったのは職務怠慢だとの糾弾があった。しかし、そこにいた記者や随行の連中だけでなく、テレビも新聞もこれが大問題だとは当初は思っていなかったのは明らかだ。大問題になったのは外国での報道が国内で取り上げられてからだ。
_ 最近の報道では、中川大臣の酒にまつわる問題行動が多々あるとされ、曰くつきの人物であることが今になって明らかになった。当然マスコミはそれを知りながら、これまでと同様に看過したのだ。もしこの事件が国内で起きたとしたら大事件にはならず、中川の武勇伝に一つのエピソードを付け加えるだけで終わっていただろう。
_ 日本人は酒の上の行動に寛容だ。それは日本が民度の低い野蛮国だからという解釈はある。今回中川の辞任ということまで問題が大きくなったのは、日本人が外国から自分たちがそのように見られることを畏れたからだ。
_ でも、欧米の連中がそれほど大人で酒に対しても自制心が効くとは思えない。欧米の白人は酒に強いことが彼我の差となって表れる。これは遺伝子の違いだと医学的にも証明されている。
_ 欧米の酒飲みはジンやウォッカをラッパ飲みするように、日本人のレベルを遙かに超えている。それほど飲まなければ酔っ払わない反面、身体や精神に対する影響も日本人の比ではなくなる。アル中は社会問題になり、禁酒法まで施行されるようになる。
_ 日本人はそこまで行く前に酔いつぶれてしまうため、心身への損害は限定的になる。中川の場合も、有能な人物のようで、酒の上の不祥事によってその評価は減殺されていなかった。つまり、酒の上での言動は素面の人間評価に影響しないのだ。実際日本には酒にまつわる武勇伝を自慢する大物経済人や政治家は多い。それは、酒も飲めない四角四面の人間よりよほどプラスの評価になる。
_ このように、酒は日本の文化だ!と言って中川を擁護する人がいてもよかった。私は、個人的には、酔っ払いは嫌いだが(笑)