_ 三木聡監督脚本作品。2005年の公開で、デジタルリマスター版をテアトル新宿で観た。公開時に劇場で観た記憶はないので、TSUTAYAでビデオを借りたのだろう。
_ 脱力系コメディーというジャンルだそうだが、同じ監督の「インスタント沼」とともに好きな作品だ。
_ スズメは平凡な主婦で、夫は外国に単身赴任で、飼っている亀に餌をやっているか気になって毎日電話してくる。そんなスズメが、スパイ募集の貼紙を見つけ応募する。面接でスパイの夫婦から、スパイは目立ってはいけない、平凡でいなければならないと注意される。でも、それからのスズメの生活は平凡でいることが刺激となる。
_ スズメと同じ日に同じ病院で生まれたクジャクはぶっ飛んでいて、スズメと対照的だ。でも二人は親友だ。上野樹里がスズメで、蒼井優がクジャクというすごい配役。ほかにも癖のある役者がたくさん出てくる。目立たないそこそこのラーメンを作るラーメン屋をしているスパイが松重豊であるのが面白い。井の頭五郎とは違った顔がある。
_ 何回観てもいい映画だ。
_ 人気ゲームを実写化したとのこと。ゲームは知らないが映画はそれなりに面白かった。
_ 男が地下鉄を降りて地下道を歩く。案内板には8番出口から出るようにとあるが、8番出口が見つからない。同じところを何回も通り、同じスーツの男とすれ違う。
_ 不条理劇だが、それと男の個人的な問題が重なる。二宮和也が熱演だが、いささか演技過剰。
_ 人によって、評価は違う映画だと思う。
_ 道に迷う夢はしょっちゅう見る。だいたい、約束の時間に遅れそうだという設定で、焦るが、知っている場所に出ない。
_ 夢に出る場所は、現実にはないところだ。しかし、場所にはいくつかのパターンがあって、その都度、またここに来てしまった、と思う。だからと言って、道がわかるのではない。同じような景色だが、目的地に行きつかない。
_ 昔所属していた共同事務所が夢によく出てくる。しかし、その事務所は他の事務所と合併して、昔とは違うビルに入っている。毎回そのような設定だ。8階にあるのだが、エレベーターに乗っても着かない。時には、エレベーターは水平に走り出す。
_ 自宅に帰るのに川沿いの道を通るというパターンもある。川沿いの道を歩いていると突然砂丘になり、よじ登らなければならなくなる。そして必ず足が鉛のように重くなる。
_ 自宅は現実とは違い、白いマンションの大きな部屋に住んでいることになっている。その部屋の鍵は、ロビー階にあるロッカーに入っているが、そのロッカーが開かない。
_ 超高層ビルが立ち並ぶ街が出てくることもある。ビルの形は異様で、曲がりくねったりして不気味だ。その街で行きつけのイタリアンレストランを探すが見つからない。
_ 総じて、夢の中の場所は、現実世界のどことも似ていない。そして、遅れそうなのに目的地にたどり着けない。悪夢だ!と思って目が覚める。
_ 主役二人の演技はよかった。歌舞伎には興味がないが、歌舞伎の舞台の映像は迫力があった。
_ ストーリーは予想の範囲内であまり感動はしなかった。主役に絡む女が複数いるがその関係がわかりにくい。原作ではもっと説明があるはずだが、それが割愛されているのだろう。
_ 映画館で一つ席を空けて座った女が頻繁に携帯でメールをしていた。3時間の上映時間中何回も携帯を操作していた。渋谷の映画館にはこのような民度の低い輩が多い。