_ 早川千絵監督作品。
_ この監督の「PLAN75」が嫌いだったので観る気はなかったが、時間が合う映画がなかったので、ユーロスペースで観た。
_ 「PLAN75」は、陳腐なメッセージ性が鼻についたが、本作はそのようなことはなかった。しかし、反対に何が言いたいのかわからなかった。
_ 11歳のフキの日常を淡々と描く。父親ががんの末期でそれが大きな問題だが、それをめぐるエピソードはいずれも予想可能で意外性はない。小さな事件をこま切れにつなぐ手法はそれなりに評価できるが、カンヌで賞を取るレベルではない。
_ 一番の欠点は、主演の少女が魅力的でなかったことだ。無表情でいるように演技指導されたというが、それで観客を魅了できるのは特別な素材である。どこにでもいる少女を撮りたかったのかもしれないが、それでは商業映画にならない。