_ 朝日新聞は10月29日の歌舞伎町エステの火災のとき焼死した人の氏名を公表しなかった。三年ほど前にテレクラが放火されて客が3人死んだときもその氏名を伏せた。
_ ところが44人が死んだ9月1日の火災のときは全員の氏名を公表し写真まで掲載した。この火災で焼けた4階の店は当初は風俗店と報道されたが、新聞には飲食店と書かれた。
_ 私は、インターネットでこの店、スーパールーズのサイトをみつけた。そこには顔をモザイクで隠した女性の写真が載っていた。朝日新聞の記者は当然このサイトを見たはずである。そしてこの店がいわゆる飲食店でないことは瞬時にわかったはずである。顔を隠し源氏名で表記された女性たちが自らの氏名と顔写真を新聞に掲載されたくなかったことは一目瞭然であった。それにもかかわらず朝日新聞は風俗店を飲食店と偽ることによって,彼女らのプライバシーを暴いた。これは犯罪である。
_ 事件の次の日の紙面に、記事とは関係なく、唐突に女性の写真と氏名が載せられていた。写真をとれたことを手柄のように思った記者がいたのだろう。それによってどれだけ人の心を傷つけるかに思い至らない愚か者が。
_ 朝日新聞は後日スーパールーズの女性の何人かについて、身の上話を囲み記事で連載した。そのときは女性の名前は仮名だった。朝日新聞はこの段階で仮名を用いることで何を守ろうとしたのだろうか。彼女らが隠そうとした事実はすでに暴露されているではないか。人権に配慮しているかのごときジェスチャーか。
_ 最近観た「TENET」と「スパイの妻」が大外れだったので、心配していたが、大当たりだった!
_ 俳優が問題を起こしたこともあってか、観客は10人ぐらいだったので、いい環境で観られた。
_ 私は、この原作のマンガやアニメは知らず、DJが何をするのかよく知らず、とんかつも自分ではあまり作らない。しかし、この映画はとんかつとDJが融合する奇跡的な瞬間を描いていて、感動する。
_ 特に、最後のDJコンテストは、格闘技のファイナルマッチに挑むファイターと観客の高揚感をとらえている。まるで「ロッキー」第一作のよう。しかし、優勝しないところがいい。
_ 日本の映画で、音楽を題材にしたものはたくさんあるが、日常が音楽の世界に直接つながるようなものはあまりない。この映画は、「ブルースブラザース」のように、その境界が取っ払われている。
_ 監督の二宮健は初めて観たが才能がある。今回は、不運だったが、このような作品を作り続ければ、日本の喜劇が世界に認められる日も近いだろう。