少数意見

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2004-01-24 「七人の侍」「武蔵」訴訟報道

_ 黒澤関係の訴訟は3件目で、前の2回は何れも提訴の時に新聞に載った。今回は話題性があり社会的意義もあるので一番マスコミの注目を集めると思っていた。だからプレスリリースも入念に準備していた。

_ 前2回は訴状を提出した直後に新聞社から問い合わせの電話が入った。今回は訴状を出しても何の反応もないので裁判所に尋ねると、マスコミに裁判所からリークすることはないとのこと。前2回は10年以上前なのでプラクティスが変わったようだ。裁判所によれば、口頭弁論期日の前日に期日表というものが配られるのでそこで判明するよし。第1回期日は2004年1月20日だから、19日にはわかるということ。

_ さてその19日、10時すぎに事務所に行ったが、1つも電話は入っていなかった。午後になってやっと共同通信から電話があったがあとは産経新聞からあったのみ。前2回に比べてあまりにも反応がニブイ。去年の1月の放送の話だし「武蔵」は終ってしまったからかと思った。気負っていたのでがっかりした。

_ 20日の朝刊には一応載ったが(共同通信の配信)、小さな扱いで、朝日は全く無視した。

_ 午前11時に法廷に行った。傍聴席には記者のような人が10人ばかりいたが、法廷が終ったあとNHKの弁護士の周りに集まってこちらは無視された。これで報道は終りかと思ったが、午後になりテレビ局から電話が続いた。先ず日テレが「武蔵」のビデオを貸してくれと言ってきたのでNHKの著作権に気をつけるようにと言って渡した。20日の午後5時の「プラス1」で使ったようで「武蔵」の問題シーンがイラストで出てきた。

_ 次はフジテレビ。黒澤久雄氏に取材申し込みしているが、ダメな場合は私の話を聞きたいとのこと。しばらくして、黒澤氏を取材できることになったが、彼の話で不足の部分があれば私に補充してほしいと言ってきた。すぐに久雄氏から電話があった。「どうしても話が聞きたいというので取材に応じることにしちゃったよ。青山なんだけど乗杉さん来る?」「いや、後で事務所に来るようなので」(ちなみに久雄氏は成城学園初等部で私の2年先輩にあたる)

_ 5時半くらいにフジテレビの3人が大きなビデオカメラをかついでやってきた。「先生の取材は我々だけですか?」「そう」「さっきは10本くらい立っていたのになー」(カメラの台数のことか?)

_ インタビューは20分以上続きいろいろと面白い話をしたつもりだったが、21日の「とくダネ!」で使われたのは1分足らずだった。でも女性のレポーターは私のビデオを見ていたようで、私が話したことを自分の言葉で語っていた。夕方6時に取材したものを理解して翌朝8時の放送に間に合わせるのはエライと思った。


2006-01-24 キング・コング

_ 3時間8分の長尺が短く感じられた。日本映画は大作になればなるほど、間延びして、不要なセリフや過剰な演技が目に付くが、彼我の違いは何だろう。ピーター・ジャクソンは、これでも入れたかった場面をいくつも切ったそうだが、それは観ていて分かる。不必要に長いのと、刈り込まれて長いのは全く違う。

_ この作品は、33年版のリメイクだが、私が33年版を観たのがいつだか定かでない。76年版は劇場で観たが、その時33年版と比べていたから、その前であることは確かだ。ひょっとしたら、子供の頃ニューヨークで観たのかもしれない。

_ 76年版でがっかりしたのは、時代が現代になっていて、最後の場面がエンパイアステートビルでなくてワールドトレードセンターになって、コングを攻撃するのが複葉機ではなく武装ヘリコプターになっていたことだった。こんどの作品はオリジナルのままだ。

_ 30年代のニューヨークは、超高層ビルが建ち始めたころで、CGで再現されたニューヨークは美しい。私は1957年のニューヨークは見ているのだが、今のようなガラス張りのビルはなく、重厚な佇まいだった。

_ そして、最後はニューヨークを見下ろす世界一のエンパイアステートビルの頂上での決戦となる。映画史に残る名場面だ。観る前からここで泣くなと思っていたが、ピーター・ジャクソンの思い入れはすさまじく、これでもかと感動の波状攻撃をかけてくる。高倉健の斬り込み場面のようだ。

_ エンパイアステートビルのてっぺんから見たニューヨークの朝焼けがきれいだった。


2009-01-24 朝青龍と気

_ 朝青龍は昨日までで13連勝している。今場所はどうなるか気になったので朝青龍の取り組みは全部見ている。

_ 続けて見ていて感じたのはどんどん安定感が出てきているということで、昨日の千代大海戦はそれがはっきり分かった。千代大海の鋭い当たりをほとんど下がることなく受け止めていた。土俵に根が生えているという表現がぴったり当てはまる。

_ 初日の稀勢の里のときはいっぺんに土俵際までもっていかれ危なかった。それと比べると昨日は体重が倍になったように動かなかった。

_ 大東流合気柔術の中興の祖といわれる武田惣角は自在に自らの体重を変えられたという。弟子たちに自分を持ち上げさせ、それから体重を増していく、すると弟子たちは惣角の体重に押しつぶされてしまうと。

_ 朝青龍の今場所の変わりかたは常識を超えたものなので超常的な何かが関わっているかもしれない。しかしそんな超能力を使えるのなら初日からやらなかったのはおかしいとは思うが。

_ 琴欧洲戦もその意味で興味深かった。それは勝負が決まってからのこと。朝青龍は転んだ琴欧洲の頭の上で大きく左腕を振った。それを朝青龍がよくやるダメ押しの技と思ったテレビの解説者がいたが、多分30センチ以上外れていたのでそれはない。さらに不思議だったのは琴欧洲が勢いよく土俵を飛び出していったこと。それほど強烈な投げ技ではなかったのに。

_ 私はあれは気で押したのだと思った。西野流呼吸法の対気では気で人を飛ばす。指導員に飛ばされた塾生のなかには壁際のマットに当たった後はね返って部屋の反対側のマットに向かって走る人が最近多い。それを手を振って気で押す指導員がいる。ちょうど朝青龍がやったようなしぐさで。気を受けた塾生はさらに勢いをつけて走る。

_ 本当のところは分からないが、気は存在するし、格闘技とは深い関係がある。今日、明日の取り組みが楽しみだ。


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