_ 3時間8分の長尺が短く感じられた。日本映画は大作になればなるほど、間延びして、不要なセリフや過剰な演技が目に付くが、彼我の違いは何だろう。ピーター・ジャクソンは、これでも入れたかった場面をいくつも切ったそうだが、それは観ていて分かる。不必要に長いのと、刈り込まれて長いのは全く違う。
_ この作品は、33年版のリメイクだが、私が33年版を観たのがいつだか定かでない。76年版は劇場で観たが、その時33年版と比べていたから、その前であることは確かだ。ひょっとしたら、子供の頃ニューヨークで観たのかもしれない。
_ 76年版でがっかりしたのは、時代が現代になっていて、最後の場面がエンパイアステートビルでなくてワールドトレードセンターになって、コングを攻撃するのが複葉機ではなく武装ヘリコプターになっていたことだった。こんどの作品はオリジナルのままだ。
_ 30年代のニューヨークは、超高層ビルが建ち始めたころで、CGで再現されたニューヨークは美しい。私は1957年のニューヨークは見ているのだが、今のようなガラス張りのビルはなく、重厚な佇まいだった。
_ そして、最後はニューヨークを見下ろす世界一のエンパイアステートビルの頂上での決戦となる。映画史に残る名場面だ。観る前からここで泣くなと思っていたが、ピーター・ジャクソンの思い入れはすさまじく、これでもかと感動の波状攻撃をかけてくる。高倉健の斬り込み場面のようだ。
_ エンパイアステートビルのてっぺんから見たニューヨークの朝焼けがきれいだった。