_ シャマラン監督の作品は「シックス・センス」ではうまくだまされ、「アンブレイカブル」では少し無理があると思い、「サイン」にはどんな仕掛けがあるかと期待して観たが、仕掛けらしいものがないままに終わってしまった。その意味では失敗作だ。
_ でも、仕掛けに期待しなければ、結構楽しめるかもしれない。笑わせる場面もあり、妻の死のエピソードもよかった。
_ シャマラン監督はコメディーや人情もので勝負したほうがいい。
_ TBSのドラマ。松岡茉優と三浦春馬主演で8回が予定されていたが、三浦の死により4回で完結となった。
_ 第3回まで撮影されていたようで、三浦(慶太)は冒頭のみ登場しあとは回想場面になった。
_ 慶太は早朝、下宿(松岡(玲子)の母が経営している)をでて、会社も無断欠勤する。ドラマは、慶太なしに進行するが、玲子ら登場人物は慶太のうわさをし、各人の慶太像が描かれる。
_ もちろん慶太は行方不明ではあるが、死んだわけではなく、各人の思い出話はしめっぽいものにはならない。
_ そこで、視聴者は、ドラマと現実のギャップに気づく。
_ ドラマの登場人物は、慶太がふらりと帰ってくることを信じている。しかし、現実世界の我々は、それがドラマの世界の中でも起きないことであると知っている。
_ 希望があるドラマの世界と、希望がないことが確定した現実世界が、あたかもパラレルワールドのように存在している。
_ ドラマのラストで、下宿の引き戸が開く音がして、振り返った玲子が、微笑みうなずく。
_ 他のドラマであれば、視聴者はその後の展開を想像したり、続編の制作を期待したりする。しかし、この作品に関しては、その後は「無」であり、無常観が支配する。
_ ちなみに、私は、三浦の死に始まる芸能人の連続「自殺」はバイオテロだと思う。人を自殺に誘うウィルスは、ブラディ・マンデイ(TBSドラマ)で仕込まれ、そこで三浦、芦名星、藤木孝が感染した。竹内結子はコンフィデンスマンJPで三浦から感染した。ガの幼虫を自殺させるウィルスは存在し、それを遺伝子操作で人間用に改造したものが犯人。
_ 昨日の「報道特集」でやっていたが、力の入ったものだった。今度は、過去30年の経営陣にもインタビューしたらいい。
_ 拙著「黒澤明の弁護士」の第1章に、私が勲章の件で黒澤さんにゴマすりを図り失敗したエピソードを書いたが、忖度が生じる環境は、いろいろな職場で共通な部分があるのではないか。
_ テレビ局のジャニーズ事務所に対する忖度は、ジャニーズ事務所は怖いという認識が定着してしまうと、ジャニーズ事務所からの具体的な行動がなくても、代々社員に受け継がれていって、慣習になってしまうようだ。
_ 黒澤さんが怖いということは、伝説になっていて、私のような部外者にもその場の空気から皆の緊張感が伝わってきた。実際は、黒澤さんは私に対しては優しく、一度も怒られたことはない。
_ 今度の、検証でも、ジャニーさんをジャニーズJrや大成したジャニーズのタレントが慕っていたという発言があった。たぶん本当なんだろう。黒澤さんについても、優しかったという人が多い。
_ 今回のジャニー喜多川の事件は、許しがたい犯罪としてとらえられている。刑事事件としては、その通りだ。しかし、人間の悪としてみると、あいまいなものがある。
_ ブラック企業のパワハラのように我欲による行為であることが明白な場合と違い、蜷川幸雄が怒ると灰皿を投げつけるという話は、芸術家ということで許されていた。黒澤さんが怒鳴るのも、誰もパワハラとは言わなかった。
_ ジャニー喜多川は日本の芸能史における一つの時代を築き上げた。ジャニーズというアイドル集団は、ジャニー喜多川の趣味によって成立する。それは、彼の少年愛と切り離せないものだったのだろう。