少数意見

«前の日(09-26) 最新 次の日(09-28)» 追記

2002-09-27 タイユバン・ロブション

_ 恵比寿ガーデンプレイスにあるルイ王朝様式のシャトーレストラン。印象としては西麻布にあるジョージ王朝様式のザ・ジョージアン・クラブと似ている。建築関係の人には区別がつくのだろうが、私には同じように見える。

_ タクシーでウェスティン・ホテルの前まで行ったが入り口がすぐには分からなかった。結局一周してしまった。

_ 火曜日の夜2階のメインダイニングで食事をした。席は右奥の壁際で、カップルの場合女性が壁を背にするようになる。と言うことは、男性は食事の間、華やかな宮殿のようなダイニングルームを見ることなく壁を見つづけることになる。従って、食事の相手が誰であるかが重要になる。

_ 料理は日向清人氏のお勧めのDEGUSTATIONをとった。各お皿のポーションが少なかったので正解だった。味は思ったほど濃くなく、盛り付けなど和食の影響があるのではないかと感じた。

_ 赤のグラスワインをとったが、渋めであまり好きではなかった。グラスワインは赤白各1種類しかないようで銘柄の説明もなかった。アッピアなどは5,6種類から選べるので、タイユバンにも少し考えてほしい。

_ まあ、悪くはないけどしょっちゅう行く気にはなれないなーー。


2006-09-27 残酷刑

_ 奈良女児殺害事件の小林被告に死刑判決が言い渡された。しかし、それを一番喜んでいるのは小林被告のようだ。宅間守の場合もそうだったが、本人が死刑を望んでいる場合には死刑は罰にはならない。むしろ、死刑になりたくて凶悪犯罪を起こそうとするやからを増やすのではないかと懸念する。

_ 奈良女児殺害事件の被害者の父親が極刑以上の刑を望むと言っていた。それはすなわち残酷刑である。残酷刑は憲法で禁止されている。しかし、宅間や小林のような犯罪者に対抗するためには残酷刑の復活も考えるべきだろう。

_ 思うに何が残酷かは一概に言えない。人によっては無期懲役の方が死刑より残酷と感じるかもしれない。また、人生が苦痛で生きていることが耐え難い人にとっては死刑は僥倖だろう。

_ そもそも、死は誰にもやってくるもので、それを早期に到来させたからと言って残酷だろうか。絞首刑は苦痛の少ない死刑だと言われている。宅間守は死刑にならなかったらもっと苦痛に満ちた死を迎えていたかもしれない。実際の話、今日多くの人間が経験する病院での延命治療と緩慢な死はどんな残酷刑より残酷ではないか。世界の歴史に記されている残酷刑のどれも何ヶ月もかけて殺すことはない。たいていの刑罰は何時間か我慢していれば死が解放してくれる。

_ 世の中は矛盾に満ちている。


2008-09-27 小泉元総理引退

_ 権力者が病気でもないのに引退するのは珍しい。

_ 権力の座は居心地がいいようで老害といわれても辞めないのが普通。その言い訳になるのが「まだやり残したことがある」という理由だ。でも、政治の世界で完全に目標を達成することなどありえない。仮にその意欲が本当だとしても、たいていの場合そのための能力がすでになくなっている。後進に道を譲った方がよほど世の中の為になる。

_ 小泉の引退を、安倍や福田の「放り出し」と同じように捉えている向きがあるがそれは間違っている。任期途中ではないし、やりかけの仕事あったわけでもない。

_ フランスの詩人アルチュール・ランボーは21才のときに文学を捨て放浪の旅に出て文学に戻ることは無かった。それを残念と思う人はいても無責任という人はいないだろう。

_ 今朝のテレビで福島瑞穂が面白いことを言っていた。「小泉さんと私は主義も主張も違うけど評価するところはある。小泉さんは命がけで遊んでいたので、それは私たちも学ばなければならない」という感じのことを言っていた。自民党の連中の言葉よりよほど正鵠を得た評価だ。

_ 「命がけで遊ぶ」というのは言いえて妙で、普通は一緒にならない異なった概念を小泉はその行動の中で融合していたのだろう。小泉劇場と人は言うが、それが単なる虚構だと感じられたらあれほどの興奮を巻き起こすことはなかっただろう。それは芝居であってもその中で本当に人が死ぬかもしれないという真剣な芝居だった。

_ 小泉はあれが芝居であり現実がそれはほどヤワではないと十分知っていたのだろう。今日の改革路線に対する批判も反動も予測の範囲内だったのだろう。でもそれを言ってしまったら歴史は動かないから彼は言葉で小泉ワールドを作り出し動かないはずのものを動かした。それはたしかに命がけの遊びだった。

_ 今彼は政治にはそれだけの情熱を傾けられないのだろう。ランボーが文学を捨てたのがなぜかは知らないが、文学に対する情熱が無くなればいい作品も出来ないだろうから新しく情熱の対象を探すのは自然なことだ。政治家だって情熱が無くなればいい仕事が出来なくなるだろうからそれが引退の理由で悪いわけはない。

_ 政治に情熱をもっていないのに権力にしがみつく多くの政治家は小泉を見習うべきだろう。


2001|11|12|
2002|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2003|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|
2006|01|02|04|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|06|07|08|09|10|12|
2010|01|02|03|05|06|07|
2011|01|02|03|04|05|
2013|02|07|
2015|07|08|09|10|11|12|
2016|01|02|03|04|05|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|10|11|
2019|01|02|03|04|05|06|09|12|
2020|01|06|10|11|12|
2021|01|02|03|05|06|07|08|09|10|11|12|
2022|01|02|03|04|05|06|07|09|10|11|
2023|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2024|01|02|03|04|05|