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2008-02-05 ブラッド・ダイヤモンド

_ DVDで観た。いわゆるハリウッド映画でご都合主義なストーリーには感動しないが、舞台となっているアフリカの抱えている問題には考えさせられる。

_ 最近、「ホテル・ルワンダ」、「ナイロビの蜂」などアフリカを舞台にした映画が多い。国は違っても内戦でほとんど意味もなく人が殺されるシーンが共通する。

_ 大量殺人という点では文明国の方が優るだろうが、そこでは様々な大義名分で人殺しの悪が隠されている。ナチスにしても、歴史的・科学的・生物学的な理由で殺人を正当化しようとした。人間的というか、やはり正面から殺人が好きだからやっているとは言えないのだろう。

_ アフリカの殺人にはそのような言い訳さえないように見える。ツチ族とフツ族とか、政府軍と反乱軍とか、自他の区別さえつけば殺戮が始まる。

_ 未開人に近代兵器を与えたのが間違いだという見方もあろうが、私はむしろアフリカが真の人間の姿であって、文明社会の「平和主義」はまやかしだと思う。今半世紀以上世界大戦が起きていないのは核兵器に対する恐怖によるもので、それが一回使われればタブーはなくなり、歯止めの無い殺戮が始まるのではないか。映画の中で言われていたように、アフリカが文明化するのではなく全世界がアフリカ化するのだ。

_ ネアンデルタール人とクロマニョン人は一時期共存していたが、ネアンデルタール人が亡びクロマニョン人が残ったのは、後者がより攻撃的な遺伝子を持っていたからだという説がある。人類は同一種内で徹底的に殺しあう珍しい種である。

_ 攻撃性は、今日の文明を作り上げる原動力になった競争心と表裏一体のものだ。人類は過剰な攻撃性をごまかしながら発展してきた。企業間の競争はよく戦争にたとえられる。野球やサッカーなどのスポーツも戦争を模している。それらは時に美化されるが、アフリカの現在を見ると、人間の攻撃性は、意味もなく人の腕を叩き切ったり、目玉をくり抜いたりする所までいかないと収まらないもののように思える。


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