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2003-04-03 野茂英雄

_ 野茂に関心を持ったのは、彼がメジャーに挑戦することを宣言してからだった。そのときのマスコミの論調は、野茂は日本球界の裏切り者でワガママなだけだというものだった。メジャーのマウンドに立てるかどうかもあやしく、3Aがせいぜいではないか、と言われていた。メジャーと日本の野球は大人と子供ほど違うと思われていた時代だった。

_ 近鉄時代の野茂はほとんど見たことがなかったが、手に入れた安定した生活を捨てて、より高い目標にひとり挑戦するという日本人にあまりない生き方に興味を持った。

_ 1995年5月2日の初登板は朝4時30分からBS1で放送された。自分が投げているかのように緊張して見ていたのを覚えている。そのあと長く勝てない試合が続いたが、6月2日に勝ってからは7連勝してすごかった。あの頃の野茂のフォークは大リーガーにとっては魔球に見えたようで、誰も打てなかった。バリー・ボンズなど1割も打てなかった。8月5日に1安打ピッチングをしたときアメリカの解説者が「自分が見たどんなノーヒッターよりすごかった。この男はこれから何回もノーヒッターをやるだろう」と言っていた。

_ 3年目になると、打者も野茂のフォークを見切ることが出きるようになり、簡単に勝てなくなった。そして、球団を転々と移るようになり、日本人の関心もうすくなっていった。私もいいファンではなく、毎回録画していた試合も負ければ見なくなった。でも、3Aに落ちても、解雇されても、表情を変えずに投げ続ける野茂の姿は美しかった。

_ 2002年、出発点のドジャーズに帰ってきた野茂を私も新たな期待をもって見ていた。最初のうちは勝てる試合を打線の援護がなく落とし続けた。その間石井が勝ち星を重ね、野茂の時代は終わったかのように見えた。しかし、そのとき野茂はすでに復活していたのだ。球速は落ちて三振は取れなくなったが、後半戦野茂は勝ち続けた。そこには昔の力まかせに打者を切って捨てる勇姿はなかったが、より深い味わいが出てきた。インタビューでは相変わらず無愛想で訥弁だが、彼の投げる姿は雄弁だ。

_ 今年の開幕試合、あのランディー・ジョンソンとの対決に完封で勝った。今年はワールドシリーズで投げる野茂を見ることが出きるだろうか。


2017-04-03 映画「乱」4Kデジタル修復版

_ たまたま夕刊紙でこの映画を恵比寿ガーデンシネマでやることを知って予約した。初日だったので映画の後にトークショーがあり野上さんと仲代さんが出るとのこと。

_ 久しぶりに観たが、昔よりいい映画だと思った。救いのない悲劇だが、今の世の中が黒澤の考えていて恐れていた世界に追いついたのかもしれない。

_ 野上・仲代対談は司会者が質問する形で行われた。司会者が野上さんに対して、「乗杉弁護士の書いたものを読んだのですが、「乱」の仕事は大変だったようですね」と聞いた。突然自分の名前が出てきてびっくりした。

_ 野上さんがあの文章を読んでいるか知らないが、読者が何人かはいるというのはうれしいことだ。


2019-04-03 グリーンブック

_ アカデミー賞作品賞をとった反差別物語。

_ 1962年のNYブロンクスが出てきた。1960年までクイーンズに住んでいたのでちょっと懐かしかった。私のいた小学校や中学校には黒人の生徒もいたのであまり差別があるとは感じなかった。

_ 映画はきれいごとであまり感心しなかった。


2023-04-03 坂本龍一

_ 坂本龍一とは戦場のメリークリスマスのパーティーで初めて会った。しかし、その時は誰も紹介してくれないので話しをすることはなかった。映画が公開されたあと、映画のプロヂューサー、ジェレミー・トーマス、の紹介でクライアントとして仕事をすることになった。

_ 彼が初めて事務所に来たのは、彼が黒いコートを着ていたので、寒い季節だったと思う。開口一番、下のロビーで見つかったので走ってきた、と言った。英文契約書の仕事だったので事務所のアメリカ人弁護士と一緒に会った。うまい英語を話していた。そのあと英語がらみの仕事だけでなくいろんな仕事の依頼があった。

_ ある時、アメリカの法律事務所を使って仕事をしていた時、その事務所が坂本龍一の会社から払ってもらえない報酬があるのでその旨伝えてくれないかと言われた。その通りにしたが坂本龍一から返事はなく、それから仕事も来なくなった。


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