_ 三島由起夫と石原慎太郎の対談でテロを肯定したものがあったはずだと書庫を探したがみつからなかった。いずれにしても石原の思想は昔から一貫している。
_ 石原の今回の発言には批判が多いが、このような場合民主主義がどれだけ有効かは検証してみる必要がある。
_ 外務省の腐敗と亡国的な行為に怒っている青年A氏がいたとする。彼は民主的に問題を解決しようと考え、国民の権利である選挙権を行使し主張を同じくする候補者に投票し当選させる。しかし議員になった候補者は公約を忘れ態度も豹変しA氏がなにを言おうと取り合わない。そこでA氏はこんどはもっとまともな候補者に投票しようとするが、そこであることに気づいた。これまで何回か投票したがいずれも一票差で当落が決まったことはなかった。さらにこれまでの国政選挙の結果を見ても一票が当落に影響したケースは皆無だった。ということはA氏が次の選挙で投票しようが棄権しようが結果は同じだということだ。つまり一人の人間の選挙権は絵に描いたモチ、なんの役にも立たないのだ。
_ そこでA氏は政治結社を作り外務省改革を旗印にして人を集めた。右や左や宗教やいろんな人がいてまとまりのない結社だったがそれでもA氏は数年後に市議会議員になることが出来た。しかし市議会では外務省改革は議題に上ることはなく、A氏はやはり国会議員にならなければと思った。さすがに国会はハードルが高く、既存の政党に頼るしかなく、A氏は外務省改革をやりそうな政党に多額の寄付をして汗をかき、やがて推薦を取り付け数年後に国会議員になることが出来た。しかしその政党は威勢はいいが力がなく、何を言っても外務省は歯牙にもかけなかった。A氏も歳をとり夢のようなことばかり考えている訳にもいかず政治資金を集めることに汲々としていた。そして歳月が流れた。
_ A氏は黒塗りの高級車の中から国会の上に翻る人共旗に目をやった。来週は将軍様の米寿のお祝いだ。新国立競技場のマスゲーム、軍事パレード、そしてテポドン13号の打ち上げと色々と行事が予定されている。2030年の朝日併合によって誕生した朝鮮人民民主主義共和国日本州の初代知事であるA氏は来週の天気が良いことを祈った。