_ 4月26日に控訴審の2回目の口頭弁論があった。裁判所は弁論を終結すると言い、判決期日を6月14日とした。同時に和解期日を5月10日とした。和解が出来なければ予定通りに判決を言い渡すという。
_ 裁判終了後、陪席裁判官が両代理人に声をかけて、少し話を聞きたいので書記官室に来てくれとのこと。17階の会議室で話し合いが持たれた。冒頭裁判官が、これまでに和解の話があったのか、と質問した。相手方の代理人が裁判が始まってからはそのような話はなかったと言った。私はこれに対して、訴訟になる前に、黒澤久雄とNHKが話し合ったことはあると言った。裁判官が、その話し合いの内容を尋ねたので、「武蔵」が放送された後週刊誌等で盗作であるとの報道があり騒ぎになったので、NHK側が黒澤久雄を訪ね謝罪したが損害賠償には応じないという姿勢であったと説明した。裁判官は何を謝罪したのですか、と訊くので、著作権侵害はないという立場なので世間を騒がせたことをわびたのではないか、と言った。相手側の代理人は、そうではなくて、事情説明のために訪問したと聞いている、と述べた。
_ ここで何が問題かというと、上記の議論はすでに第一審の原告側の訴状と被告側の答弁書で同じやり取りがあったもので、裁判官はこれらの記録を読んでいなかったことが明かなのだ。この和解を取りしきることになった裁判官が多分判決を書くのだろうが、記録を読んでいないでどうして結審できるのだろうか。
_ 鳴り物入りでスタートした知財高裁だが、真面目に仕事をする気があるとは思えない。