_ 面白かった。
_ 原作筒井康隆、監督・脚本吉田大八。
_ 主人公渡辺儀助は、77歳のもと大学教授で専門はフランス演劇史。一人で築100年の屋敷に住んでいる。
_ インテリのプライドで貧乏くさい生活はしたくない。自分で毎食作るがこれがどれも美味しそう。ゆでたソバはちゃんと小ねぎを刻んでつける。焼き鳥は、レバーを切った後牛乳につけて臭みをとる。冷麺にはゆで卵をつける。
_ 朝食のフライドッグとハムが焼けるところが感動的で、カラーで観たように錯覚するが、この映画は全編白黒。
_ 儀助の人生計画は、年金と預金から毎日の生活費を控除し、残がなくなったら死ぬというものだ。これは合理的だ。世間では、老後資金が何千万必要と騒いでいるが、老後が10年なのか20年なのか、はたまた40年なのかがわからないと計算などできない。資金が決まれば年数が決まり、年数が決まれば必要な資金も計算できるのだ。
_ このような人生観だと、貧乏くさい生活などしなくていい。贅沢はしないが、ケチにはならず、食材もいいものを選ぶ。そう、QOLを大切にするのだ。
_ そんな儀助の生活も美女が絡むと不安定になり、予想外の金も使うことになる。そして、突然、敵が現れる。敵は、実在するのか、または儀助の夢なのか。さだかではない。