_ すぐバレルうそをついたのはマズかった。人のうそには厳しい人がなぜあのようなヘマをやるのだろうか。
_ ワークシェアリングもいただけない。ある新聞は「悪い冗談かと思った」と書いていたが、辻元さんのやっていたことは勿論ワークシェアリングではない。国会の証人喚問の場だったら決してあのようなことは言わなかっただろう。国会では言えなくてテレビだったら言えるということは、結局視聴者を馬鹿にしていることになる。横文字の最近話題になった言葉を使えば視聴者を煙に巻けると思ったのかもしれない。テレビの視聴者は辻元さんの支持者と重なるのだろうから辻元さんは自分の支持者を愚弄したことになる。
_ このように辻元さんの対応はじつに下手だったが、彼女のやったことはそんなに悪いことか。確かに法律には触れるだろうが倫理的にも悪いことなのか。日本には法律に触れる行為でも取り締まられないものがいくつもある。前にも書いたが、ソープは売春ではないのか、パチンコは賭博ではないのか、という類だ。今回の政策秘書の件も辻本さんに言わせればみんながやっていることらしい。確かに多額の金が出る割には秘書の兼務が許されたり事後のチェックがなかったり、悪用されることを予想しているかのようだ。辻元さんとすれば、私腹を肥やすのでなければ政策秘書の給料を他の秘書の給料に流用しても実害はないと思ったのだろう。目的が正しければ手段に多少の問題があってもかまわないという考え方もある。一年生議員の辻元さんが、国からこれだけお金が出るがみんな事務所の経費に使っているよ、といわれればそれを断るほうが不自然かもしれない。よほどの石頭で政治家には不向きと言われるだろう。
辻元さんの一番の罪は目立ちすぎたことかもしれない。
_ 丸の内TOEIで観た。終わりかけなので350人の劇場に観客は10人ほど。
_ 1967年のデトロイト暴動を背景に警察の黒人殺害事件を描く。キャサリン・ビグロー監督作品は、ハートロッカーとゼロ・ダーク・サーティーを観ているが、これもいい作品だった。
_ 容疑者の警察官はみな刑事裁判で無罪になったが、この映画は実際は彼らが殺人者であるとしている。
_ 弁護士として気になるのは、製作者は名誉棄損の訴訟の可能性をどう評価したのかである。日本だったら絶対映画化しないだろう。