_ 「Star Wars エピソード3」と「宇宙戦争」に共通するのは暗さである。ある新聞評のように9・11以降の米国の不安が表現されているとも言えるが、もっと深刻で、人類に対する絶望感がにじみ出ているように思えた。
_ もう一つの共通点は、愛がテーマになっていることで(これ自体は普通だが)、その愛が悪へとつながっていくのである。
_ SWEP3では、アナキンはパドメを救おうとしてダークサイドに堕ち、ダース・ベイダーになる。「宇宙戦争」では父親役のトム・クルーズは娘を護ろうと不審な男を殺す。一番身近な者に対する愛が悪を引き寄せる。これは、人類の将来を暗示している。
_ ロンドンのテロリスト達も家族思いの好青年(少年)だったようである。富や領土を奪い合うこれまでの戦争は、まだ自分とは関係ないといえた。自分にはそんな欲はないから、そのような戦争に積極的に関わることはないだろうと。でも、愛が理由だったらわからない。愛するものを奪われるとなったら戦うだろう、殺すだろう。最も善良な人も(又はそのような人こそ)行動に移るだろう。これからは、そんな時代なのだ。