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2016-04-30 あやしい彼女

_ 韓国映画のリメークで多部未華子主演。

_ あまり興味がなかったのだが新聞の映画評でほめていたので観たところ感動した。オリジナルのストーリーのせいか韓国的な人間描写になっているところは気になるが、多部がすごくよかった。

_ たまたま数日前にNHKで松尾スズキの「恋はあなたのおそば」というドラマを観ていて主演の多部がいいと思っていた。これはコールセンターで電話を受けた社員が蕎麦屋の店長になるという話でナンセンス系のコメディーで面白かった。多部の作品で一番印象に残っているのは「フィッシュストーリー」で世界を救う宇宙飛行士の役だった。

_ 「あやしい彼女」では多部は73才の老婆が突然若いころの自分に戻ったときの自分を演じる。彼女はこのような非日常的な役が多い。

_ 老婆は、「ローマの休日」のように、若い肉体でいる短い時間を楽しみまた元の体に戻っていく。

_ このような映画を観ると必然的に自分だったら20才のころに戻ったらどうだろう、何をしたいだろう考える。結論としては戻りたくはないということになった。映画の中の他人の青春は美しく感動さえするが、自分の青春は不快で戻る気はしない。

_ 三島由紀夫は20才まえに死ぬ若者を「豊饒の海」で描いた。老醜を嫌う三島としては美には若さが不可欠だ。「春の雪」と「奔馬」では主人公は三島が是認できる死にかたをするが、以後の二巻ではそこがあいまいになる。そして最後の最後にすべては夢だあったと告げられる。

_ 老醜は現に存在するが、美しい青春はほんとうはないのではないか。それは映画や小説の中にのみ存在するのではないか。虚構の中にのみ美が存在するのであれば、虚構を作ってその中で死のうと三島は思ったのではないか。


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