_ アメリカのファッションドール、バービーの話。
_ バービーは、バービーワールドに住んでいて、毎日がパーティーの生活をしている。今日は最高に楽しく、明日もそうで、そのあともそうだ。
_ でも、ある日、バービーは、deadという言葉をつぶやく、周囲は震撼とする。バービーはそこはごまかすが、自分の身体に衰退の兆候があり、現実世界にその原因があると思い、現実世界に赴く。
_ 映画評は、そこでバービーが見た現実世界の男性支配を問題とする。つまり、この映画は、ジェンダーとダイバーシティーを主要なテーマとしていると解する。そうだろうか。
_ バービーワールドと現実世界の一番の違いは、バービーワールドは毎日が青春であるのに対して、現実世界は肉体が衰退して、やがては死を迎える世界だということだ。
_ 現実世界にも、青春がずっと続くのではないかと思える時期があるだろう。しかし、それは、すぐに過ぎて、あとは死に向かっての長い下降がある。もとに戻ることはできない。
_ バービーは、この映画では現実世界で生活することを選んだようだが、はたして正しい選択だったのだろうか。