_ 青葉被告は自分の小説のアイディアを京アニにパクられたと言っているようである。
_ 仮にアイディアをパクられたとしても、著作権侵害にはならない。著作権法は表現を保護するがアイディアを保護する法律ではない。ほかの法律もアイディアの盗用を禁止していない。
_ 表現を保護するといっても、簡単に著作権法違反が認められるわけではない。2004年に、黒澤プロを代理してNHKに対して、大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の第1話が「七人の侍」の脚本の著作権を侵害しているとして提訴した。黒澤プロは11か所の類似点があると主張し、ワイドショーでも取り上げられ、世論はおおむねパクリの存在を確信していた。しかし、裁判所は認めず、黒澤プロの敗訴で終わった。
_ 裁判所によれば、類似と非類似の分かれ目は、侵害作品「武蔵MUSASHI」の表現から「七人の侍」を感得できるか否かというところらしい。「感得」という言葉は、あまり聞かないが、辞書によれば「感じて会得すること、幽玄な道理などを悟り知ること」だそうだ。
_ 「感じ取る」とどう違うのかわからないが、一般人が感じ取れても、裁判官は感得できないから類似ではないという結論になる。