_ 面白かった。しかし、ストーリーは納得がいかないところが多々あった。
_ 「千と千尋の神隠し」みたいに、現実世界と異界が接していて、化け猫や、カエルの化け物や、貧乏神などが普通に存在する。そのいい加減さが心地よい。絵もヘタウマのようでゆったりとしている。
_ 主人公かりんの母親は3年前に亡くなっていて、遊び人の父親が借金取りに追われて、逃げてたどり着いた先が住職をしている祖父の寺。そこで住み着いている化け猫あんずちゃんと会う。
_ かりんは、貧乏神とあんずちゃんに連れられて、母に会いに行くが、そこがなぜか地獄。なんで母親が地獄に落ちるのだ。かりんとあんずちゃんと化け物の仲間は、地獄から母親を連れ出し逃げるが、エンマ大王率いる鬼の軍団(ヤクザみたいな)にコテンパにやられて母親は地獄に連れ戻される。さらに重い罰が課されるとのこと。
_ ひどい話だ!
_ 思うに、天国と地獄というけど、誰も本当のことは知らないので、実際は、天国なんてなくて地獄だけが存在するのかもしれない。天国はどんなところか想像するのが難しいが、地獄は際限なくひどいものが考えられる。簡単に言うとあらゆる苦痛が永遠に続く世界だ。
_ 死刑が残酷だというが、永遠に続く死刑なんてない。古今東西の死刑の中で一番きついのは磔ではないか。手足にくぎを刺されてもそれで死ねるわけではない。何日も生きたままさらしものになって、カラスに目玉をほじくられ、それでも生きている。でも何日かすれば、理由はともかく死ねる。
_ 地獄の怖いのは、死ねないというところだ。どんなに苦痛が続いても、死ねない。現世でそれに一番近いのが延命治療だと思う。