_ 2006年製作、2008年日本公開の作品だが、新宿武蔵野館で4Kデジタルマスター版を上映している。
_ 無声映画時代、橋から落ちて足を怪我したスタントマン、ロイ、と木から落ちて腕を骨折した少女、アレクサンドリアが病院で会う。ロイは自殺しようとしてアレクサンドリアに毒薬を盗んでくるように仕向ける。その為に、毎日自作の物語をアレクサンドリアに語る。
_ 現実と架空の物語が交互に現れ最初は混乱する。物語では、六人の勇者が悪者の提督に復讐しようとする。しかし、返り討ちに会い、多くが殺される。その舞台が13の世界遺産となっている場所で、24か国以上でロケをしたという。
_ 映像がすごい。CGかと思ったが、すべて実写だそうだ。ただ、ストーリーが、アレクサンドリアに気に入ってもらえるように、毎回変化して、一貫性がない。一回観て理解するのは難しい。
_ 映画に何を求めるかだが、ストーリーは忘れても映像が鮮明に記憶に残る作品はある。中には、自分が実際に見た景色よりはるかに強く目に焼きついている映画の中の光景もある。
_ 黒澤監督は、いつもいい絵を撮りたいと言っていた。この映画の監督、ターセム・シンもそう思っていたのだろう。その意味では成功した作品だ。興行的には難しいと思うが。