_ 今、「仁義なき戦い」シリーズを見なおしているが、藤井総裁と石原大臣の戦いと重ねてみたくなる。
_ 藤井は勿論悪役だが、もみ手・泣き落としも恫喝も臨機応変に使いこなす一筋縄では行かない人物で映画では金子信夫が演じる山守親分を思わせる。石原ははじめて大きな仕事を与えられた若い者で、手柄をたてようと血気にはやっている。映画でいえば渡瀬恒彦の役どころか。小泉首相は写真でしか登場しない神戸の大きな組の親分(丹波哲郎)いうところか。
_ 渡瀬恒彦はよく鉄砲玉の役を演じる。「鉄砲玉の美学」という主演作もある。鉄砲玉がなんであるかというと、Aという組がBという組の縄張りを取ろうとするとき、元気のいい若い者に金と武器を与えBの縄張りで派手に遊べという。鉄砲玉はBを挑発するように行動しやがてBの組員とけんかになって殺される。それを待っていたAはBの縄張り内で鉄砲玉の葬儀を盛大に執り行う。沢山の組員が参列し、全国の友好関係にある組織からも親分衆が集まる。それを機に侵略が始まる。
_ さて石原伸晃は鉄砲玉にされてしまうのだろうか。小泉は石原が藤井とりに失敗して傷を負い更迭されることになってもかまわないのかもしれない。小泉は藤井が粘れば粘るほど抵抗勢力の存在を印象付けられる。自分に被害が及びそうになれば、石原を切って妥協するかもしれない。
_ 政治家はヤクザより頭がいいだろうから、映画より複雑な展開になるのだろうか。