_ フランクルの「夜と霧」に、ナチスの収容所から解放された人が、自由になったとたんそれまで自分に対して行使されていた権力や暴力を他人に対してためらいなく行使することがあると。
_ ガス室で身内を殺された者には多少の悪事は赦されるという論理だ。
_ 謝罪に来た東電社長に土下座しろと怒鳴ったやからは同様な気持ちだったのだろう。それまでは話しかけることも出来なかった大会社の社長を怒鳴りつけ土下座させる快感を味わったことだろう。
_ 彼は、立場が逆転していて、彼が強者で社長は弱者であることに気付いただろうか。少なくとも社長が自分になにも反論できないことは承知で怒鳴ったのだろう。弱い者しか怒鳴れない自分の卑劣さには気付かず英雄気取りだったのだろう。