_ 金原ひとみの最新作。彼女の小説は、だいたい新刊が出ると買っている。
_ この作品は、今までのものとは違っている。別な人が書いたようだ。つまらなかったわけではないが、期待したものとは違う。
_ 14歳の中学生のレナレナを主人公にして、その親や友達との日常を描く。いわゆるラノベなのか。従来の作品と違うのは毒がないのだ。
_ このような路線のほうが売れると思ったのかもしれないが、これまでの読者を失うことになりかねない。
_ 2005年のAMEBICの中のエピソード。主人公は六本木を歩いていて、たまたま入った本屋で10冊以上も本を買い、配送を頼むが断わられる。彼女は嫌がらせに、レジ際に置いてあったプラスチックのブックマークを10個買い、10枚の領収書を切ってくれと言う。露骨に嫌な顔をした店員に、爪をカチカチとカウンターに叩きつけ、苛立ちを表現する。
_ このような描写は金原ひとみにしかできない。