_ ジュラシックシリーズの7作目だそうだ。
_ 最初に恐竜が現れてから年月がたち、世間では恐竜への関心がなくなり、恐竜も現代の自然環境に適合できず、南海の孤島でのみ存続している。
_ この作品も最初のころの刺激はなくなり、寅さんの映画のような安心感に満ちている。そういう気持ちで観ればそれなりに楽しい作品だ。
_ 今回感心したのは自然描写だ。自然と言っても、現実にはあり得ない、CGが作り出した絵だ。いくつもの岩山の絶壁から、たくさんの滝が白い水しぶきを立てて落ちている。そこを翼竜が舞う。ジャングルクルーズはTレックスに追いかけられる。海には巨大なモサザウルスがいて船がひっくり返えされる。
_ 映画の楽しみは、見たことがない世界を体験することで、それが現実でないことは問題でない。映画監督は、「いい絵が撮れた」というが、映画にとって一番大事なものは絵なのだろう。
_ 私はたくさんの映画を観てきたが、ストーリーは朧気にしか覚えていない。しかし、特定の場面(絵)は鮮明に脳裏に残っている。それが、自然の描写である場合には、現実に見たものか映画の一場面かは判然としないことがある。