_ 一昨日書いたものの最後の部分が分かりにくかったので一言。
_ 行動する人は、その求める対象との関係で自分がより小さく無に近くなるほど美しくなるのだ。千代子は初恋の彼のために死ねると思ったとき一番美しく輝く。でも彼女が輝いている自分の美しさに気づいてしまうと、その美しさは一瞬にして失われる。手のひらの上の雪の結晶のように。
_ 新宿スカラ1の日曜日14:40の回。620席の劇場の前3列ぐらいを除いてほぼ満席。5週目にしては異例の盛況。
_ 多くが女子中高校生。と無理やり連れてこられたという風情の彼氏。一見40才以上の男はいない。勿論58才で一人で来ているのは私だけだったろう。
_ 東宝はこの映画のターゲットを若い女性に絞ったとのこと。それは見事に当たったのだが、そのターゲットに入っていない人が観に行って悪いことはない。例えば青春ものと銘打たれた映画を老人が観て感動したらおかしいだろうか。むしろ、青春の真っ只中にいる人よりもよく理解できるのではないか。
_ 私は「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」にも感動するが、それが変だとは思わない。青春ものについては、更に思い入れが深く、それは私に青春らしき思い出がないからかもしれない。「下妻物語」や「NANA」は、存在しなかった私の青春を擬似体験させてくれる。それにしても、何故女の子の話なのだろうか。多分私自身が、男の子の青春につきものの汗や泥のにおいが嫌いだからだろう。
_ 「下妻物語」は、何人かに推奨し、あとで感謝された。「NANA」に付いてはまだあまり人と話していないが、私の評論を読んで、意外といいかも、と思ったあなた。観たら感想をください。
_ 沢尻エリカの主演映画初日舞台あいさつが話題になっている。映像を見たが確かに、無礼な態度だといえる。私はこの女優は「パッチギ!」で観たくらいであまり知らない。このようなキャラで売っているようだが、司会の女子アナにガンを飛ばすところなどマジで不機嫌に見えた。
_ さて、エリカ様がその不機嫌をぶつけた相手が誰かというと、それは司会の女子アナなどではなくマスコミである。マスコミは、世論や大衆を背景に君臨する現代社会最強の権力である。エリカ様は強大な相手にケンカを売ったのだ。
_ 私はそれを好ましいと思った。人間の品格でもっとも大事なものの一つは相手によって態度を変えないということだ。あの舞台あいさつでの態度以上に傲慢な態度はなかなか取れないから、エリカ様は皆に等しく接していると推測できる。
_ 私は、強者には媚びへつらい、弱者には侮蔑的な態度をとるエライ人をたくさん見ているからエリカ様のような個性は安心できる。偽悪者に裏切られることは無いのだ。裏切られるとしても、意外にいい人間だったというようなうれしい再認識になる。
_ エリカ様はブログに反省文を載せているようだが、どうせプロダクションの人間が書いたものだろう。これからバッシングが続くと思うがめげずに闘ってほしい。