_ 多分公開当時の映画評がよくなかったので見なかったのだろう。公開時の日本の状況からすると絵空事としか思えなかったのも無理はない。ニューヨークにおけるイスラム原理主義者による爆弾テロの話だが、現実はそれを越えてしまった。以下ネタバレあり。
_ 世界貿易センターがそびえるニューヨークと25人死者を出したバス自爆テロをニューヨーク始まって以来の大事件と報じるテレビのニュースは大昔の話のように思える。しかし、映画の伝えようとするメッセージは今でも新鮮だ。
_ テロの原因がイスラムの一派を途中まで支援しながら、気が変わって見捨て、見殺しにしたアメリカにあるとする見方は公平だ。最後の場面でデンゼル・ワシントン率いるFBIがアラブ人を拷問死させた罪で戒厳令司令官である将軍(ブルース・ウィリス)の逮捕に向かう。ここでデンゼル・ワシントンは、国のために仕方がなかったという将軍に対して、アメリカが守るべきは永年にわたって築き上げた制度であると言って対決する。
_ このセリフを今日「オサマ・ビンラディンの有罪は完全に証明された」と言っているアメリカ大統領に聞かせてやりたい。