_ ベルリン国際映画祭金熊賞。期待はしていたが、あまりにも日本的な作品なので難しいと思っていた。審査員の目はたいしたものだ。
_ この作品は国際的な理解を得ることはまったく考えず、宮崎駿が自分の内的世界をストレートに表現したもので、外国の審査員に何が評価されたのか興味がある。
_ 「千と千尋」はキネマ旬報の2001年度日本映画ベスト・テンで3位に入っている。58人の選考委員が1位を10点、10位を1点として採点する。「GO」が336点、「ハッシュ!」が265点で「千と千尋」が242点。たしかに「GO」は秀作だが「千と千尋」と比べれば前頭と横綱の違いがある。「千と千尋」に10点を入れた者が7人、10位までに入れなかった者が25人。実に半数近くが点を入れていない。なにを考えているんだろう。趣味が合わないことはあっても昨年公開された日本映画の中で10位に入らないということは考えられない。
_ ちなみに、「羅生門」は1950年の5位、「7人の侍」は1954年の3位。これは今から考えたらお笑いでしょう。予言するが21世紀の世界の映画のベスト・テンで「千と千尋」は上位に入る。この結果は2101年に発表されます。