_ 「宣戦布告」を観たが不可解な映画だった。「北東人民共和国」の侵略に対して自衛隊が出動して日本国内で侵略者を撃退することがその国に対する宣戦布告になると言っているようだが、あまりにも非常識ではないか。
_ 宣戦布告といえば、今回の北朝鮮の核兵器開発の自認は「大量破壊兵器の開発」自体をアメリカに対する侵略とみなすブッシュ政権の立場からすれば、アメリカに対する宣戦布告になるのではないか。
_ 日本の場合、核兵器開発に拉致問題がからみ複雑になる。昨今の、涙また涙の報道は北朝鮮の思う壺だ。SFではよく異星人に拉致された人が帰ってくるが、実は外観は同じだが異星人が入れ替わっている、という類の話がある。今回の「一時帰国」は北朝鮮の立場からすれば訪日でありその目的は外交である。そして彼らの北朝鮮への「帰国」は日本からすると人質を取り返されたということになる。北朝鮮のねらいは、人質に対する日本国民の共感、同情を最大限に高め尚且つ人質は北朝鮮の意のままに動くように維持すると言うことであろう。日本人の彼らに対する感情移入が強まれば強まるだけ人質としての価値は高まる。
_ アメリカがイラクの次に北朝鮮を攻撃しようとする際、人質は楯になる。そして、最後の切り札として登場するのが横田めぐみさんの娘ではないか。彼女がテレビに出て攻撃を止めるように涙で訴えたら日本の世論は反米に動くのではないか。映画好きの金正日は、そのときのために自ら彼女に演技指導をしているかもしれない。