_ 交通事故で下半身不随になって自暴自棄の生活を送っていた青年(加藤晴彦)が合気柔術と出会い立ち直る。
_ 楽しめる映画だったが、私が特に注目したのは合気柔術の師範(石橋凌)が空手家5人を一瞬のうちに倒す場面だ。石橋は相手の手を軽くつかむだけで転倒させ動けなくさせる。大東流合気柔術六万会が監修しているから出来ないことではないのだろう。
_ 私は西野流呼吸法を12年やっているが(西野流についてはエッセイを見てください)、この映画の柔術は私の知っている「気」を使っているようだ。いわゆる合気道(もっともスティーブン・セガールのしか見たことがないが)は相手の力を利用するのではないか。映画の技は相手が力を入れていなくてもかかるようだ。
_ 一度西野皓三が同じような技を使うのを見た。西野は指導員に自分の手首をつかむように言った。西野がつかまれた手を軽くひねると指導員は鉄棒競技のように西野の手を軸にして一回転して床にたたきつけられた。だから映画のような技があることは疑わないが、疑問なのはそれが空手家に効くのかということだ。
_ 私が知る限り西野皓三といえど、気の回っていない人を飛ばすことは出来ない。普通は道場に通って2,3ヶ月しないと飛ばない。気に敏感な人(特に子供)はすぐ飛ぶことがあるが、そうでないと一般の人相手の武術としては使えない。武道家は一般の人に比べて気に敏感であるといわれているが、皆そうだとは思えない。そう考えると、あの映画の描写はちょっとウソっぽい。
_ 誰か気だけを武器にする武道大会を開いてくれないものか。ルールは相手に触れることなく倒すこと。もっとも、ドラゴンボールのようにカメハメ波が見えるわけではないので、見ている方にはさっぱり面白くないだろうが。