_ クリント・イーストウッド監督作品にしては切れが悪いと思った。
_ これは true story とのことで、キネ旬によれば登場人物の言葉なども史実に則していると。扱われた事件は奇想天外で、事実の重みには圧倒される。しかし、これがフィクションだったら脚本は詰め込みすぎで焦点が絞れていない失敗作だと思う。
_ 子供が失踪した母親の視点から描かれていて、感情移入しやすい。その反面他の人間が類型的で平凡だ。教会が善で、警察が悪という構図がどこかで変わるかと思っていたが、最後までそのままだった。
_ うそつきの子供と混乱している母親に翻弄される警察の視点で描いたらもっと面白いものが出来ただろう。
_ サイコパスの殺人犯には興味があるのでどんな人間なのか知りたかった。彼にとっての罪と神と赦しは何なのだろう。日本の犯罪史にはいない異常な怪物だ。
_ アンジェリーナ・ジョリーは熱演だが、美人が泣き、怒り、叫ぶ姿はあまり見たくなかった。最後の方で、毛皮の襟がついた高そうなコートを着ていたのはそぐわなかった。多分これも史実なんだろうが。