_ 何れも食をテーマにした映画。圧倒的に「南極料理人」の料理の方が美味そうに見えた。
_ どちらも大事件がおきるわけではなく、日常の小さな出来事を描いている。しかし、その日常が全く違う。「南極」は零下70度の、風邪のウィルスまで絶滅してしまう世界だ。そのような極限の状況で仕事をする男たちにとって食事は我々が考えている以上に重要だ。
_ 「南極」に登場した料理のなかでも、持って行ったラーメンがなくなったとき、乾水(炭酸ナトリウム入りの水)を作るところから始めたラーメンがやたら美味しそうだった。多分私が観た映画の中の料理で一二を争う。もう一つ挙げるとすれば「刑務所の中」に出てきた、特別な日に出されるアジフライか。
_ 「南極」と「刑務所」は腹がへったからちょっと外食するとかコンビニに行くとか出来ないところが似ている。そういう状況での食事は想像を絶する価値を持つのだろう。
_ グルメ本やテレビの番組で料理の味を比較して優劣を付けたりしているが、味は相対的なもので、食事の環境や本人の身体の状況で大きく変わる。最近やっとそれが分かったので、一回だけ食べてまずいと思ったものには断定的な評価をしないようにしている。もっとも、そのような料理をもう一回食べに行くかは分からないが。